エゴサーチすればよいのでは?
『Web担当Forum』のエントリー「Twitterやブログを定点観測するSNS情報解析サービス「WatchBee」、NTTアイティが10月発売 | Web担当者Forum」に、口コミ情報や企業・製品の評判情報を自動的に収集し、風評被害やバイトテロなどを監視するサービス、「WatchBee」が紹介されていました。
WatchBeeは会社名や製品名などの任意のキーワードを登録しておくと、「Twitter」や掲示板、ブログ、ニュースサイトなどのソーシャルメディアから口コミ情報や企業・製品の評判情報を自動的に収集し、風評被害やバイトテロ、いじめなどの情報を監視することができる。
引用:
Twitterやブログを定点観測するSNS情報解析サービス「WatchBee」、NTTアイティが10月発売 | Web担当者Forum
実際にそのツールを使ってはいないので断定的なことは言えませんが、私はこのニュースを読んで「え?それって実際にTwitterで(もしくはYahoo!のリアルタイム検索で)都度エゴサーチを行えばいいことだし、他にもGoogleアラートに登録しておけば充分なことなのでは?」と考えました。
その情報収集を行う手間が惜しい、煩雑になってしまうぐらいの書き込みの量がなされるのは余程の大手か大流行となる事象や商品ぐらいですし、正直に言えば一般の人、企業にはおススメ出来ないサービス(ハッキリ言ってしまえば無用の長物)かなと感じました。
(初期費用別の月額35,000円(1タイトル3キーワード)というかなり強気な料金設定なのも、最初から大手企業、団体をターゲットにしているからこそなのでしょう。)
こういったツールを導入する際は「そのツールで収集した情報を使って何を行うのか?」を明確にしておくことが大切です。
そうしないと「導入した」ということだけで満足してしまい、次のアクションにつながらないからです。
ツールを導入することで一時の安心感を得ることができるでしょうが、安心することと実際に問題が発生した際にどう対処するかは全く別のものです。
せっかくリスクとなりえる書き込みが行われたことを即時発見できても、対処が決まっていない or 大幅に対処が遅れるならツールを導入している意味がありませんからね。
「見てるだけ」じゃ意味がありません。
データ収集して眺めるだけで満足していませんか?
こういったツールに限らず、データを収集し、その数字を眺めるだけで満足してしまう(何か仕事をした気になる)ことは往々にしてあることです。
アクセス解析が正にそれではないでしょうか。
一般のサイトに限らず、個人のサイト(ブログ)でもGoogleアナリティクスを導入しているサイトは多い(むしろほとんどのサイトが導入している)でしょう。
Yahoo!のHTTPS化によって、今後は更に検索キーワードの取得が困難にはなりますが、PV、UU数はもちろん、流入元やページ遷移などのデータも取得出来ます。
他にもサイトを分析する上で重要なデータが取得できますので、Googleアナリティクスはとても有用なアクセス解析ツールであると言えます。
こんなにも有用なGoogleアナリティクスではありますが、あくまで「アクセス解析ツール」であることを忘れていけません。
大切なことは「そのツールで収集された情報を使って何を行うか?」です。
それを理解しておかないと「導入した」ということだけで満足してしまい、次のアクションにつながらないからです。
PV数を上げるにはどうすればいいか。
直帰率を下げるにはどうすればいいか。
検索流入を増やすにはどうすればいいか。…etc
先ずは上記のような自分のサイトに合った課題を見つけることです。
そして、その課題を解決する足がかりとしてアクセス解析ツールを使います。
収集した情報を使って自身のサイトの課題を解決することこそがアクセス解析の本来の目的なのです。
SEOやアクセス解析以外のことにも言えることですが、ツールを使うことを、「手段を目的にしてはいけません」。
一喜一憂で終わらずにもう一歩!
数字だけで満足しない(させない)
私はクライアント(お客様)のサイトのアクセス解析レポートの作成も仕事として行っていますが、事あるごとに「なぜ数値が増減したか」の理由、考察も一緒に伝えています。
(そこに私なりの価値を見い出している、それこそが本質だと考えています。)
私に限らず、社内で「アクセス解析レポートを作成している人あるある」として、「数値だけ教えてくれればいい(後はどうでもいい)」という上司、上役は結構いるのではないでしょうか。
そんな上司に対応すべく、報告レポートも「数値だけ」列挙したものになってしまい、ただのデータ取得作業になってしまうこともよくあることです。
(それはそれで楽ですけどね。「分析する、考える」ということをしなくてよいので。)
しかし、うまくいっている時、右肩上がりなときはそれでもよいのですが、いざ数値が下がり始めるとそういった上司ほど「数字をあげろ!」「どうにかしろ!」と叱責するだけだったりします。
最悪なのは上司の機嫌を取るべく、数字を偽って報告することです。
(前任者が全く違う数字を報告していた・・・なんて恐ろしい話もあったりします(経験談)。)
これを防ぐためにも、うまくいっているときでもしっかり「なぜ数値が増減したか」の理由、考察を探っておき、出来ればそれを伝えておきましょう。
そういった上司ほど「(時間がもったいない、理解もできないので)どうでもいい」という態度を取りますが、それならば会議の後にレポートと一緒に理由、考察を付け加えたメールを送るなどしておくとよいでしょう。
これは後々揉める要因を排除するためだけに行うのではありません。
実際に数値が下がったときに、うまくいっていたときとの比較対象にすることもできますし、何よりも次のアクションにつながる考察を行う足がかりとなるからです。
(自分自身が後々に見返すのに便利でもあります。メールが拒否られた場合は、メモ帳に残しておくなどログを残す工夫をしてみましょう。)
繰り返しますが、大切なことは「そのツールで収集された情報を使って何を行うか?」です。
最初は何も分からない、うまく分析出来ずに結果的に「数字を眺めるだけ」になってしまうかもしれませんが、そこからもう一歩進んでみるよう頑張ってみませんか。