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コンテンツマーケティングの今後
コンテンツマーケティングは今後どうなっていくのか。
アメリカでは一度ブームが去り、落ち込みを経て安定を迎える兆しであるそうで、日本では今、その落ち込みがやってきているのではないかという考察が『株式会社エムハンド』の「インバウンドブログ」のエントリー「2016年は、コンテンツマーケティング淘汰の年か?海外動向から考えてみる | インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと | インバウンドサイトのエムハンド」にて紹介されていました。
また、日本は海外に比べて「長めの記事より、話題になっている短めの記事を多く閲覧したい」人が多いというアドビの調査結果も紹介されていました。
(「長めの記事より、話題になっている短めの記事を多く閲覧したい」の世界平均は63%に対し、日本は79%がその傾向にあるそうです。)
アドビ、消費者のコンテンツに関する意識調査の結果を発表 | Adobe
他にも元エントリーには日本のコンテンツマーケティングについてとても興味深い考察が書かれていますので、紹介すると共に私の雑感(サイトを運営する上で大切な目的とKPIについて)もまとめてみたいと思います。
なかなかうまくいかないな・・・
日本では失望の声も聞かれ始めている
戦略重視、データ重視のアメリカとは違い、日本では「コンテンツを増やして検索上位にする」こと、つまりSEOを目的としてコンテンツマーケティングが広がったという背景があります。SNSでシェアされる面白いコンテンツやバズを狙ったようなコンテンツは多く見られましたが、目的や戦略が大きく欠落しているケースは決して少なくありません。
引用:
2016年は、コンテンツマーケティング淘汰の年か?海外動向から考えてみる | インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと | インバウンドサイトのエムハンド
正にその通りだなと私も感じています。
日本でコンテンツマーケティングと言うと、「コンテンツSEO」という言葉で言い換えられることも多く、「コンテンツを多産して検索上位を狙うSEO対策」だとも捉えられている傾向にあると感じています。
コンテンツを多産していれば、例え検索順位が上がらなくてもSNSでバズることもあるとも捉えている傾向もあり、バズればPVも増えるので結果的に「コンテンツを多産すればPVは増える」と結論つけているようにも思えます。
ただし、それはあくまで結果論であり(最初からPVを増やすことだけを目的にしていれば別ですが)、目的や戦略ありきでコンテンツを多産していることとは全く違います。
企業のオウンドメディアやECサイトなどであれば、最終目的はやはり商品の購入やサービスの申し込みなどのコンバージョンでしょうし、自社のブランディングも兼ねての戦略でしょう。
それを最初から決めてコンテンツの多産を行うのと、決めずに行うのとでは成果となるコンバージョンもKPIの数も大幅に違ってきますし、もちろんPV数も大幅に違ってきます。
(後者はただの「いきあたりばったり」と言わざるを得ません。)
【ブログ運営】新規顧客の開拓に苦労しているEC事業者に見る一般ブログの間違った施策 - 検索サポーター
そのため、Googleの変化などによりコンテンツを増やすだけでは検索順位が上がらない状況になると失望が生まれます。また、「検索順位が上がってもコンバージョンは伸びない」「話題にはなったけれど売上はあがらない」「PVは伸びていても続けるべきかどうか迷う」といった声は既に多く出始めています。これらが今後にどう影響していくか…、今年後半にはもう少しはっきりしてくるのではないでしょうか。
引用:
2016年は、コンテンツマーケティング淘汰の年か?海外動向から考えてみる | インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと | インバウンドサイトのエムハンド
ニュースアプリで話題を追う人が多いですしね。
日本のユーザー特性は?
前述の通り、日本は海外に比べて「長めの記事より、話題になっている短めの記事を多く閲覧したい」人が79%と、高い数値を示しています。
元エントリーにある通り、20代中心の統計データなので一般化して考えることは出来ませんが「日本人はあまりネットからきちんとした情報を取得しようと考えていない」「多くの違ったメディアに接触したがる」「軽く楽しめるライトなコンテンツを求めている」などという傾向が強いのかも知れません。
もしそうであれば、「自サイト内でじっくり見込客を育成していく」「きちんとした記事を提供してファン化する」など、ナーチャリングやコンバージョンといったコンテンツマーケティングの本質には親和性が低い国民性ではないか?という仮説も成り立ちます。少なくとも、自社がターゲットとする対象層のコンテンツ接触行動などについては、詳しく調べてみる価値があるのではないでしょうか。
引用:
2016年は、コンテンツマーケティング淘汰の年か?海外動向から考えてみる | インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと | インバウンドサイトのエムハンド
ここで大事なのはターゲットとする対象層のコンテンツ接触行動などについて調べること、自分のサイト(ブログ)がどのようなユーザーに見られる傾向があるかを調べる、考察することです。
自分のサイトは「どのような人に見てもらいたいか」はもちろん、「実際にどのような人が見ているのか」を調べ、考察することは大切です。
「どのような人に見てもらいたいか」は、例えばペルソナをある程度決め、そのペルソナが読みたいと思えるようなコンテンツを作成すればよいでしょう。
「実際にどのような人が見ているのか」は、アクセス解析ツールからPVが多い上位のコンテンツや、PVこそ少ないが安定して閲覧されているコンテンツ、検索キーワードの傾向からもユーザー像を考察できるでしょう。
先にペルソナを決めていたならばその結果と照らし合わせて想定通りなのか、または乖離しているのかも分かるので、私はペルソナを決めることをおススメします。
ペルソナという「自分のサイトを閲覧してくれるユーザー像」がしっかり描けていれば、的外れなコンテンツを多産することも少なくなり、見てもらいたい人に届くコンテンツを作ることが出来ます。
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目的とKPIを決めよう!
正当な評価をするためにもKPIを決める
また、施策の正当な評価、作ったコンテンツの正当な評価を行うためにも、結果に至るまでの過程の数値をKPIとして決めておくことが大切です。
しかし、日本の多くのサイトメディアが「そもそも効果測定が出来ない」「正当な評価が出来ていない」からKPIが決められない、「だから一番分かり易いPVに走る」傾向にあると感じています。
そうならないためにも、元記事にあるように「KGIツリー」つくるとよいでしょう。
KGI:Key Goal Indicatorの略で、組織やプロジェクトの最終的なゴールとなる目標を定量的に示す重要目標達成指標のこと。
【コンテンツマーケティング】成果を明確にするためにもKPIを決めて報告しよう - 検索サポーター
繰り返しますが、コンテンツマーケティングは魔法の杖ではありません。ブームに期待してなんとなく始めた…というような場合には、思い切ってここで見なおして行くことも大切かもしれません。貴社のビジネスに最適なマーケティング手法を選ぶこと、それがデジタルマーケティングそのものの出発点になります。
引用:
2016年は、コンテンツマーケティング淘汰の年か?海外動向から考えてみる | インバウンドサイトを作るときに知っておきたいこと | インバウンドサイトのエムハンド
コンテンツマーケティングだけでなくSEOも魔法の杖ではありません。
どちらも行うことを目的にしてしまうと、絶対にうまくいきません。
先ずは目的を決めること。
次にその目的の達成度を評価するためのKPIを決めること。
この2つを決めることが出来れば、それを叶えるための施策も自ずと浮かんできますし、最終的にそれがあなたのサイトの戦略となっていくでしょう。