情報流通に起きている変化
先日「【キュレーション】スマートニュース、GREEから18.5億円を調達? - 検索サポーターのアンテナ」というエントリーを行ったのですが、そのスマートニュース社 執行役員 事業開発担当・藤村厚夫氏の講演について書かれていたエントリーがアップされており、また、内容がキュレーションサービスだけでなくWebサイトはもちろん、多くのサービスに通じるところがあると感じましたので共有いたします。
この日、藤村氏は情報流通に起きている変化について、以下の3点を挙げておられた。
①ニュースのアンバンドル化:1つのコンテンツがいくつものメディアに載ることによって、コンテンツとメディアが分離可能な時代になった
②モバイルとウェアラブル:新聞・TVはコミュニケーションのきっかけに過ぎなかったが、スマホの登場によって、ニュースを運ぶ媒体とコミュニケーションツールが一体化した。最近登場したウェアラブルも、それを加速しようとしている
③希少性から過剰性へ:情報は今、希少性でなく過剰性の経済のなかで回っている。メディアの価値は、コンテンツにではなく過剰なコンテンツを選別する"サービス"にあるのではないか
Smartnewsは、"コンテンツ"検索エンジンと"コンテンツ"ブラウザを組み合わせ、スマートデバイス用に再発明したものだという。
引用:
①と③は正に今は情報過多の時代を表しているなと感じました。
昔は情報供給源が限られていたので、同じニュースを何度も見聞きすることが少なかったですし、例え同じニュースでも考察や雑感、編集の違いにより中身が似たり寄ったりなことも少なかったです。
情報飢餓の時代ともいえました。
しかし今はコピペ問題はもちろん、バイラルメディアが全く同じコンテンツを考察や雑感、編集すら加えずを発信することが多いですし、SNSでは複数のユーザーが全く同じコンテンツをシェアすることで何度も同じニュースを見てしまう、「また同じ記事かよ・・・」と辟易することのほうが増えてしまいました。
ここだけ見ていればほぼ網羅出来る、集約されたものだけが欲しいとなるのは自明で、だからこそ今現在まで総合ポータルサイトのYahoo!が重宝されているとも言えそうです。
②はコミュニケーションというよりはツールのデバイスの手軽さとライフスタイルの変化によるところが大きいと考えます。
以前のエントリー「【レスポンシブ】ブログはスマホ閲覧をベースに設計しないといけない - 検索サポーターのアンテナ」でも書きましたが、PCで調べものをする時にいちいち電源を入れる手間があるのに対し(PCは使用しないときは電源OFFである人がほとんどでしょう)、スマートフォンは使用しないときでも待ち受けのため常時電源ONである、使いたいと思ったときにすぐ使えることが一番大きい要因だと私は考えます。
ニュースを読んでもらうには「なんかわからないけど使いやすい」
「なんかわからないけど使いやすい」という感覚的なところに価値があると考えているため、ユーザーインターフェースの強化に人手と時間をかけています。ユーザーが離れていかないように、細かい点、例えば見やすい改行位置などにも注意を払っているんです。
引用:
やはりツールのデバイスの手軽さ、ユーザーインターフェースの使いやすさはかなりの武器ですね。
私はユーザーインターフェースの究極は「考えるな、感じろ(Don't think! Feel!)」だと思います。
説明なしに使えるというだけで、あらゆることへの敷居は下がります。
(私は格闘ゲーム、スポーツゲームが好きですが、楽しんで遊べるようになるまでは先ずは操作方法を覚えないといけませんし、ゲームが苦手という人は大抵が最初の操作方法を覚えることが障壁となっています。)
後は質をどう担保するか
Smartnewsに限らず、他のキュレーションサービス(例えばグノシー)でも、配信するニュースの質をどう担保するかが鍵です。
いかにユーザーの趣味嗜好、興味のあるニュースをマッチングして配信出来るか?
また、キュレーションサービスの中でもどう差別化を図っていくか?
そこを明確に提示出来ないと今後も出てくるであろう他のキュレーションサービスに淘汰され生き残れない、すぐに飽きられてしまうでしょう。