そもそも「サジェスト対策」はスパムです
ホームページ制作会社の『カルテットコミュニケーションズ』のコラム「他社のサジェスト対策でリスティング広告が被害にあった実例|リスティング広告の運用代行ならカルテットコミュニケーションズ」に、他社のサジェスト対策によってクライアントのリスティング広告に実害が出た事例が紹介されていました。
サジェストキーワードを操作することで、特定のサイトへ誘導することを狙ったこの対策(「虫眼鏡SEO」とも言います)は、スパム行為であるだけでなく今回のようにリスティング広告にも被害を与えることがあります。
(「サジェスト対策(虫眼鏡SEO)」と銘打ってはいるものの、それは業者が言葉の言い換え、尤もらしい言葉で誤魔化しているだけであり、所詮はやっていることは「汚染」「スパム」なのです。)
もちろん検索エンジンのGoogleもYahoo!もサジェスト汚染を禁止してはいるのですが、汚染対応が追いつかない、対処が遅れることをいいことに、今だに業者が蔓延っているのが現状です。
(あえて「放置している」とも思われるキーワードでのサジェスト汚染もありますが…)
せっかく質のよいコンテンツ、ユーザーによい情報を提供するために書いたコンテンツも、サジェスト汚染によってオーガニック検索流入の機会すらも奪われてしまいます。
あなたが検索しようとキーワードを入力していると、その途中で「入力候補」にそれらしきキーワードが出てきたらついついクリックしちゃう…
そんなことはありませんか?
サジェスト汚染は正にそれを狙って行われるスパム行為です。
リスティング(SEM)だけでなく、オーガニック検索(SEO)にすら影響を与えてしまうサジェスト汚染。
これ以上あなたのリスティング広告が被害を受けないように情報共有をすると共に、この件について私の雑感をまとめてみます。
ちなみに下記のフォームから情報提供や削除依頼が行えます。
あまりに酷いサジェスト汚染を発見したら情報提供を行いましょう。
※ Google からコンテンツを削除する
Removing Content From Google - Legal Help
※ Yahoo!検索 - 検索結果に関する情報提供フォーム
スパム対策しよう!
サジェスト汚染とはどんな方法か?
例えば、「歯医者 名古屋」の検索結果で上位に出すためには、いろいろな歯科医院とSEOで戦う必要がありますが、仮に「歯医者 名古屋」と検索窓に打った時に「歯医者 名古屋 ○○歯科医院」とサジェストキーワードを出すことができて、そのキーワードでの検索をさせることができれば、その検索結果では医院名が入っているので当然検索順位で1位になってサイトへ誘導がしやすくなります。
何年か前は結構流行っていたので、年末時期に検索窓に「おせち」と打ち込むとサジェストキーワードは「おせち ネットショップ名」で埋め尽くされたりしていましたね。
引用:
つい最近なら、ボクシングの「パッキャオvsメイウェザー」の検索クエリで、Yahoo!検索がサジェスト汚染を受けていました。
(WOWOWの加入を促すアフィリエイトサイトに誘導するよう、サジェスト汚染が行われていました。)
Yahoo!は以前に「クレジットカード」や「ダイエット」などのキーワードでサジェスト汚染を洗浄(検索クエリを排除)したのですが、どうしても対症療法となってしまうため、いたちごっこになってしまうことは否めません。
【SEO】Yahoo!がサジェスト検索(虫眼鏡SEO)の汚染対策を実施か - 検索サポーター
そして、今回のサジェスト汚染の実害、リスティング広告に被害を与える行為は以下のようなものでした。
昔のサジェスト対策は単純に特定のクエリを機械的に大量に送ることで、サジェストに狙ったワードを出すというものでした。ですが、Yahoo!もGoogleもサジェストキーワードを操作されることを基本的には嫌っているため、「機械的」というのを見ぬくためにシステムのアップデートを繰り返しています。
最近ですと、「機械的」と思われないためにクエリを送るだけでなく、表示された検索結果上で自然検索範囲や広告のクリックを一定数行うことでYahoo!やGoogleの目をかいくぐっているということもあるそうです。
広告主としては最悪ですよね。他社のサジェスト対策の過程で意味のない広告費を使われているということになりますので。
引用:
「他社のサジェスト対策の過程で、意味のない広告費を使われている」。
即ち、他社のリスティング広告をクリックすることで広告費をムダ金として支払わせるという実害です。
サジェスト汚染を行っている業者は自分達の検索クエリを送る際に、バレないようにカモフラージュを兼ねてオーガニックの検索結果だけでなく、他社のリスティング広告をクリックすることで損害を与えているのです。
とはいえ、GoogleもYahoo!もこの方法がまかり通ってしまうと誰もリスティング広告を出稿してくれなくなってしまいますし、広告主もそんな広告費を納得して支払うことは出来ません。
もし、この実例のように「いかにも怪しいクリックで広告費が発生した場合」は、GoogleやYahoo!に問い合わせることをおすすめします。
(全てが無効になるとは言い切れませんが、異常値であることをデータと共にしっかり説明をすれば、裏が取れたものに関しては無効になる、支払わなくてよいことがあります(実体験)。)
やるべきことをしっかり行おう。
被害を受ける前に基本をこなす
また、上記のように「被害を受けた」ときに然るべき処置を行うことはもちろん、被害を受ける前に対策を行っておくことも必要です。
しかしながら他社がどんなタイミングでサジェスト対策をするかは分かりませんので、地道に日々クエリを見て除外キーワードを逐次追加していく方法しかこの被害を抑える方法はありません。
サジェスト対策と思われる他社クエリがあったら速やかに削除することをおすすめします。
引用:
他社がサジェスト汚染を行ったタイミングや、日々クエリを見て逐次除外キーワードを追加していくことも必要ですが、サジェスト汚染が行われる前に「汚染されるであろうキーワードを想定する」ことや「ユーザーのモチベーションが高くないキーワード」を先に除外対象にしておくということも必要だと私は考えます。
「他社名」「サービス名」はもちろん、(商材によりますが)「ネガティブな言葉」や「否定語」はなかなかコンバージョンに繋がらない(検索しているユーザーの意図が違っている)ので、前もって除外対象にしておくのも一つの方法です。
また、他社の検索クエリを奪うためにあえて他社名で出稿するという手もありますが、個人的にはあまりおススメはしません。
(もちろん他社に自社の名前で出稿させないようにすることは出来ますので、安心してください。)
更に付け加えるならば、リスティング広告の運用は実際に運用しながらチューニングする部分が多いとはいえ、全くやっていない未知の方法、新しいキーワードを探すことも必要だと私は考えています。
(誰も手をつけていないからこそ、発見したときは大きなアドバンテージとなるからです。)
よくある手法ではありますがリスティング広告は「ABテスト」を行い、先ずはしっかりと足元を固めましょう。
その上で他社につけいる隙を与えないよう、誰も手をつけていない領域(検索キーワード)に踏み出していきましょう!
【リスティング】広告文でよく見かける2つの無意味なABテスト - 検索サポーター