あなたがもし「ユーザーのためのコンテンツを作れ」というアドバイスは聞き飽きた、うんざりしているというのなら、SEOはおろかマーケティングには向いていないと言わざるを得ません。
いや、SEOやマーケティングに限らず、ライティングにおいても「ユーザーのためのコンテンツを作れ」という観点は必須であり、これを私なりに定義するならば「ユーザーに分かりやすい、伝わる文章を書く」ことはライティングには絶対に欠かせない観点であると断言します。
なぜならば、いくら有益なことや価値のあることを書いたとしても、それが受け手であるユーザーに伝わらなければ全く意味がない、そのコンテンツが存在しないことと一緒だからです。
SEOの文脈であっても、コンテンツについては「ユーザーのことを考えろ」以上のアドバイスはないと『Web担(Web担当者Forum)』のエントリー「SEOで成果を伸ばしたい? 「ユーザーのために」は聞き飽きた? イマドキSEOを大御所が解説【SEO記事12本まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum」のテーマ「「ユーザーのためのコンテンツを作れ」SEOで絶対に正しい理由」でも纏められています。
(この記事を書いた鈴木さんや、引用元記事の渡辺さんも同じことを仰っています。)
なぜSEOはおろかマーケティングにおいての答えはいつも「ユーザーのためのコンテンツを作れ」となるのか?
私の考えを含めてご説明します。
重要なポイントは…
「その答え聞き飽きた~。マジ、聞き飽きた~」の前に。
SEOは手軽に順位を上げるための方法ではない
当ブログでは何度も言及していることですが、「SEOはあくまで手段であって目的ではありません」。
これを理解、納得が出来ない人ほど「ユーザーのためのコンテンツを作れ」ということも理解、納得が出来ていないでしょう。
なぜ理解、納得が出来ていないのか?
その理由は、理解、納得が出来ていない人ほどSEOを「手軽に順位を上げるための方法であり、裏ワザ的な(検索エンジンを上手に騙す)方法、テクニックである」と考えてしまっているからです。
残念ながらSEOには絶対的かつ恒久的に有効である方法、テクニックは存在しません。
Googleの検索アルゴリズムが大幅に変わってしまえば、それまでは有効であった方法も効果が薄くなるどころか、全く効果がなくなることすらもあるからです。
また、理解、納得できないことが逆に多くの人を「小手先のSEO対策」に走らせてしまう、何も考えずに手段ばかりに没頭させてしまう要因でもあります。
巷に溢れるアクセスアップの方法を「理解、納得はできていないけどアクセスが増えるのならとりあえずやってみよう」という人は多く、その通りにやってはみたものの全然アクセスが増えずに更に悩みを深くしてしまう人も多いものです。
(特に一般のブロガーが語るアクセスアップの方法の大抵が結果オーライから得た結論ありきの方法論であり、実例もたった一本のブログである場合が多いため、再現性が低いだけでなく因果関係と相関関係を間違えた分析となっていたりするから他のサイト(ブログ)ではうまくいかないのです。)
【SEO】リライトと長文、そしてnoindex…言葉だけを鵜呑みにすれば失敗します - 検索サポーター
「ユーザーに価値を与えるコンテンツを評価する」のは不変である
但し、絶対的なSEO対策は存在しませんがGoogleは「ユーザーに価値を与えるコンテンツを評価する」という原理原則は一貫して変えていませんし、今後も変えることはないと言えます。
なぜならば、それこそが「検索エンジンの意義」でもあるからです。
また、SEO(検索評価)は「ユーザーに価値を与えるコンテンツ(ユーザーのためのコンテンツ)」があるからこそ、その効果も有効に働きます。
これも不変なことだと言えます。
【SEO】フレッドアップデートでアクセス激減?ユーザーに価値を与える情報、仕組みとなっていますか? - 検索サポーター
だからこそ先ずは「ユーザーのためのコンテンツ」を用意し、その上でSEOを考慮した施策を行うことで検索流入を促す(検索で見つけてもらう)ことに繋げるのが正しい方法となります。
卵が先か?鶏が先か?みたいな話ですが、「SEOはあくまで手段であって目的ではない」というのは、「SEOはユーザーのためのコンテンツありき」の手段であり、「想定読者(ペルソナ)やその情報を欲しがっている人に向けてのコンテンツをしっかり作って届ける」ことこそが本来の目的であるからです。
この結論に対して、例えばこれが逆ばかりが突出した場合を考えてみましょう。
SEO対策だけが先に来た(検索上位に上げることばかりに力を入れて、低品質なコンテンツしかない)場合です。
これでは「ユーザーのためではない(正確性を欠いた、検索意図を満たさない)コンテンツ」がSEO対策によって検索の上位を占めていることになりかねません。
このような検索結果の状況をあなたならどう思うでしょうか?
「正直ウザい」という嫌悪感を持つ、「このサイトのコンテンツは検索結果に表示しないで欲しい」と思うのではないでしょうか?
正に少し前に起きた問題と同じ状況となると言えます。
しかし、コンテンツの制作目的を Google(検索技術そのものという意味)で検索順位を上げると設定すると、どうしても品質がおろそかになってしまいます。その好例が昨年騒がれた DeNA のメディア群です。
ご存知のように、上記のようなキュレーションサイトはGoogleの検索アルゴリズムが更新されたことによって、検索順位(検索評価)も落とされることになりました。
(更に著作権の問題もあって、謝罪会見を開くまでになったことも皆様はご存知でしょう。)
このことからも分かるように、SEO対策を行うのであれば先ずは「ユーザーのためのコンテンツを作る」ことが絶対的な答えとなるのです。
【SEO】Google社員のアドバイス「SEOでやるべき&やってはいけないこと」 - 検索サポーター
あなた、向いていないんじゃない?
考えることが面倒ならSEOやマーケティングは向いていません
「ユーザーのためのコンテンツを作れ」。
そんなことはとっくに理解、納得もしているけれども、それが簡単に実現できないから苦労しているんだよ…
Webに携わっているとそんな声がいつも聞こえて来ますし、実際に私にもそのような相談がよく来ます(先日行ったセミナーでも同様の質問を受けました)。
【報告】セミナー「読まれる記事と実践的なSEO」に登壇しました - 検索サポーター
「考えても正解が見えてこないし、時間ばかりかかってしまう…どうすればパクる以外に簡単に(コストを抑えて)コンテンツを作ることが出来ますか?」
この質問に、私は「インプット(知識、知恵)を増やさない限りはアウトプット(成果物)も増えない。そこはコストをかけるべき。」と答えました。
なぜならばコンテンツ作成は基本は知識、知恵が源資となって作られるものであり、その元がないと成果物すら生み出せないといっても過言ではないからです。
もし自身にその源資がない、源資を得るために労力と時間というコストもかけられないのであれば、お金で解決する(外注する)というのも一つの解決策です。
しかし、それではいつまで経ってもあなたは知識、知恵という源資を得られないどころか、思考する工夫するというSEOやマーケティングに必要なスキルすらも身に付けることが出来ません。
ユーザーの検索意図を満たさない限りは有効なSEO対策を打つことは難しいですし、その面倒なことを考えることこそがマーケティングなのです。
ハッキリ言ってしまえば「ユーザーのためのコンテンツを作ること」を考えることが面倒と感じるなら(思考するというコストを負えないのなら)、SEOはおろかマーケティングは向いていないと言わざるを得ません。
もし理解できないとしたら、あなたはSEOに向いていないのかもしれない。いや、マーケティング自体に向いていないと言うほうが正しいのかもしれない。
この記事も、「ユーザーのことを考えろ」というアドバイスと同様に、すぐに役立つテクニックもノウハウも伝えていない。しかし、本当に大切な情報とは、そういうものなのだ。
SEOで成果を伸ばしたい? 「ユーザーのために」は聞き飽きた? イマドキSEOを大御所が解説【SEO記事12本まとめ】 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum
目的は「ユーザーのためにコンテンツを作ること」。
SEO、マーケティングで迷ったときほど「ユーザーのため」に
SEOやマーケティング、そしてライティングにおいても迷い悩むことがあるならば、考えることはたった一つです。
今回の答えである「ユーザーのために(有益なことであるか)」と考えることです。
この「ユーザーのため」という答えは、検索意図を満たし、検索流入を増やす(SEOにおいて)たった一つのコツであり、いつも心がけることこそマーケティングの本質でもあり、ユーザーに分かりやすく伝わる文章を作り出すライティング技法でもあります。
考えたからといって絶対的な正解が出る問題ではない、シチュエーションによって最適な方法も変わってくることを分かった上で絶えず考えることが出来るか?
少なくともそれが出来る人はSEO、マーケティングに向いていますし、「自分が理解、納得が出来る自分なりの正解には辿り着くことが出来る」ので、「ユーザーのためにコンテンツを作る」ことこそが答えとなるのだと私は確信しています。