※ 2015/7/30:関連記事のリンクを追記、文章をリライトしました。
10%を大きいとみるか、小さいとみるか
WEBマーケティング系情報サイト『MarkeZine』のエントリー「Googleのアルゴリズム変更でモバイル未対応サイトのトラフィック、前年比最大10%減【アドビ調査】:MarkeZine(マーケジン)」にて、アドビは「デジタル広告レポート」と「ソーシャルインテリジェンスレポート」を公開し、モバイルフレンドリー未対応サイトが前年比最大10%のトラフィックを失っているということを明らかにしたことが書かれていました。
つい先日、日本の国・省庁のサイトやBtoBの企業サイトではまだまだ対応が遅れており、「緊急性を感じない」という判断をしたとしても、私はモバイルフレンドリー対応は行って然るべきだとエントリーしました。
【モバイルフレンドリー】BtoC企業のマルチデバイス対応率は約7割まで上昇 スマホ対応もSEOも目的を持って対応するべし - 検索サポーター
一年の差異で見ると10%かもしれませんが、モバイルフレンドリー・アップデートが行われたのは僅か3ヶ月前のことです。
サイトのテーマや目的によって10%という数字を大きいとみるか、小さいとみるかということがありますが、このまま何も対応しなければ更にその数字は大きくなることは間違いありません。
恐らく数倍の差異となることでしょう。
(殲滅されるかのごとく、本当の「モバイルゲドン」になることは明らかです。)
対応しなければモバイルの検索順位も下落することはもちろんですが、SEO云々と言うよりはユーザビリティが悪いサイトはユーザーに不親切だと言えますので対応するべきだと私は思います。
【モバイルゲドン】日本の上位企業の4割がモバイルフレンドリー非対応 - 検索サポーター
今年4月末にGoogleが実施したアルゴリズムのアップデート(通称:モバイルゲドン)により、オーガニックのモバイル検索におけるモバイル対応のWebサイトの検索ランキングの順位が引き上げられた。それから2か月以上を経た現在では、Webサイトをモバイル対応にしなかった企業はその影響を受けており、Google自身もその影響を受けていることが明らかになった。同デジタル広告レポートによると、「モバイルゲドン」に備えなかった企業は、前年比で最大10%のトラフィックを失ったことが判明した。
引用:
Googleのアルゴリズム変更でモバイル未対応サイトのトラフィック、前年比最大10%減【アドビ調査】:MarkeZine(マーケジン)
見にくいサイトを見ると疲れますよね。
GoogleとFacebookの広告状況
ADIの分析によれば、モバイルWeb戦略を無視したブランドはGoogleネットワーク経由のモバイル広告において得られる価値の低下とコスト増大を経験し、またモバイルのCTR(クリック率)とCPC(クリック単価)のギャップが拡大している。モバイルCPCが前年比16%上昇したのに対し、CTRは前年比9%減少した。
引用:
Googleのアルゴリズム変更でモバイル未対応サイトのトラフィック、前年比最大10%減【アドビ調査】:MarkeZine(マーケジン)
今回のモバイルゲドンを広告の面から見てみると、モバイル広告のCPCが上昇しているのに、CTRは減少している結果が出ているようです。
即ちGoogleAdWorsなどはGoogleのモバイル広告への出稿費は上がっているのに、クリック率は下がってしまっていて、コストが以前よりもかかっている割には成果、目的に繋がりにくくなってしまっているのです。
広告に関しては、先日のエントリーにも「人が増える(集まる場所)ということはそれを利用するべく広告も増えることになるのは自然な流れ」だと書きましたが、それに付随して出稿費が上がるのも自然な流れです。
(それだけお金を出しても出稿したいという広告主が増える、競争率が上がるということでもあるからです。)
ただ、スマホを利用する人、閲覧する人が増えたことで、広告を閲覧する人も増える(チャンスが増える)という大方の目論見が、外れてしまったという結果は少し意外でした。
このようにGoogleに限らず、広告ビジネスではモバイルフレンドリー・アップデートはあまりよい結果を運んでくれていないのですが、何とFacebookでは広告枠を減らし、最適化をすることで逆にクリック数の増加を見せているとのことです。
世界のディスプレイ広告ビジネス全体が悪影響を受けるなか、Facebookはモバイルへの対応をより大きな規模で進めることにより自らの優位性を高めている。同サービスはかつて1ページにつき4つのディスプレイ広告を掲載していたが、モバイルユーザーに不評だったため2つに減らし、ニュースフィード中にも広告が表示されるようにするなど、モバイルユーザーへの最適化を進めた。
結果、ページあたりの広告数の削減によりインプレッション数が低下したが、その見返りとしてエンゲージメントが増加している。ADIの2015年第2四半期版「ソーシャルインテリジェンスレポート」によると、Facebookペイド広告のインプレッション数が前年比で半分近く(-47%)に低下したにもかかわらず、総クリック数は前年比で12%増加した。
引用:
Googleのアルゴリズム変更でモバイル未対応サイトのトラフィック、前年比最大10%減【アドビ調査】:MarkeZine(マーケジン)
Facebookはモバイルフレンドリー・アップデートとほぼ関係がないとはいえ、モバイルユーザーのためにディスプレイ広告を減らしたことはよいことだと私も思います。
(過剰な広告はユーザーにとっては邪魔でしかありませんから。)
また、Facebookの広告状況から分かることとして、デバイスやコンテンツとのマッチングはもちろんですが、広告は適切な場所に設置すればしっかりクリック(タップ)されるということを証明しると言えます。
コンテンツとマッチしている(興味のある)ものなら広告でもクリックする。
全ての正解は「ユーザーへの最適化」
デバイスがモバイルへとシフトしようとも、広告も、そしてSEOであっても全ての正解は「ユーザーへの最適化」です。
コンテンツページの検索順位は検索アルゴリズムが決定することかもしれませんが、肝心の中身を見てその質を決める、また、広告(アフィリエイトリンクを含む)をクリック(タップ)するのは他でもないユーザー(人)です。
これからはAdWordsモバイル広告の誤タップはカウントされなくなりますし、サイト管理側からこの問題を見れば広告で稼ぐことは難しくなると言えます。
(そもそも広告を誤タップ狙いの配置にしていることがダメだし、そういうサイトのコンテンツなんて信憑性に欠けるものだと私は判断しますが。)
【Google】誤タップでは稼げなくなる。AdWordsモバイル広告の誤タップ回避策を発表 - 検索サポーター
最終的に判断を下すのはユーザーなのですから、全てにおいての正解は「ユーザーへの最適化」なのです。
モバイルフレンドリーだ、広告だ、SEOだと慌てる前に、先ずは「誰に訴求するものなのか?」をしっかり考えてみてください。
【追記】
Googleはモバイルサイトもしっかり評価しているよということが書かれていました。
(だからこそモバイルフレンドリー対応していないサイトはモバイル検索順位が下落し、トラフィックが減少しているといえますね。)
デスクトップとモバイルのサイトで大きな違いがないか、Googleは確認している。 | SEO Japan