目次
※ 2016/3/1:誤字を修正し、広告についての雑感を追記。
サイトを分析し、改善するための重要な考え方
収益も検索流入も増やすには、方法にこだわる前にサイトに関わる全ての人に「価値を与える」ことに限ります。
そう思わせるエントリーが『AdSense日本版公式ブログ』の「Inside AdSense : Google アナリティクスで AdSense の掲載結果を改善しよう」というエントリーにて、Googleアナリティクスを活用することでサイトのAdSenseの掲載結果を立て直す(収益を上げる)ためのポイントとして書かれていました。
このエントリーはAdSenseの掲載結果を改善するために書かれた内容であり、アナリティクスを使ったユーザー分析の方法が紹介されたエントリーなのですが、広告収入だけではなく検索流入を増やすための考え方、SEOにも通ずる大事な考え方としても捉えるべきことが書かれたエントリーとなっています。
とても有用なエントリーですので情報の共有と共に、私の(特に広告についての)雑感もまとめてみたいと思います。
「広告収入が増えない」と嘆く前に・・・
「収益性が~」「クリック率が~」の前に考えること
元エントリーの紹介の前に、注意しておくべきこと、理解しておきたいことについて少しお話します。
それは、検索流入も広告収入も「テクニックに溺れてはいけない」「手段を目的にしてはいけない」ということです。
特に多くの方が広告収入として利用しているAdSenseなどの広告掲載モデルは、「見せてナンボ」「クリックさせてナンボ」であるため、「ユーザーに紹介をするという広告の本分」を忘れて、どうすれば儲けることが出来るのかという「自分の利だけの考えに走ってしまいがち」です。
AdSenseの話になると「収益性が~」「クリック率が~」という記事をよく見かけませんか?
「収益性が低い広告はブロックしよう」とか、「記事の合間(文中)にAdSenseを貼ってインプレッション数とクリック数を稼ごう(記事になじませよう)」とか。
前者はコンテンツと広告のマッチングの精度を上げるために行う(コンテンツと関係ない広告はブロックする)のであればよいことですが、これを推奨する記事のほとんどがそれを語らずにただ「単価が低い」という理由だけでブロックを推奨していたりします。
掲載する広告の単価が高ければ高いほど収益が上がるという考えなのでしょうが、それだけでブロック対象だと判断をしてしまうと、コンテンツにマッチする広告すらもブロックしてしまうことにもなりかねません。
むしろコンテンツと関係ない、インプレッションありきの広告ばかりが表示されて逆に広告収入が減ることにもなりますし、更にリマーケティングの広告ばかりが表示されることにもなり、もっとクリックされなくなります。
自分のコンテンツとマッチングする広告を載せるからこそクリック率も上がり、収益も上がるのです。
また、後者はそもそも誤クリック、誤タップ狙いも含め、記事を最後まで読ませる工夫としては適していませんし、暗に「途中離脱する人はこっち(広告をクリックして)行ってね」と言っているようにも受け取れます。
ユーザーにコンテンツを最後までじっくり読んでもらうことよりも「途中でも広告をクリックして離脱してもらうほうが収益になるからいいよね」という本音が空けて見えてしまっています。
特に誤クリック、誤タップを狙ったAdSense配置をしているサイトはユーザーに不誠実であると共に、広告主すらも欺いている(モチベーションのない人、悪くいえば騙されたユーザーを広告主に紹介している)ことにもなります。
なぜこういったことになるのか?
それは「広告もコンテンツの要素として考えていないから」です。
広告主にも広告掲載をする上での価値を与える(モチベーションの高いユーザーを誘引する)ことを考えれば、こういった手法は間違っていると気付きますが、(自分が)広告収入を上げて得をすることしか考えていないと、こういった考えにすら至らないのです。
それでは広告収入が上がりにくいのは言わずもがなですし、むしろあなたのサイトの評判を落とす、ネガティブに捉えられる要因にもなりかねません。
小手先のテクニックに溺れる前に「広告主に価値を与えるとは何なのか」「ユーザーに価値を与えるとは何なのか」をしっかり考え、理解して広告を運用して下さい。
(広告収入で稼いでいるサイトほど文中にAdSenseを挟んでいない傾向にありますよね。それでは大きな収入に繋がらない、「どうすれば広告主とユーザーを満足させることが出来るか?」をしっかり考えているからこそでしょう。)
AdSenseの最適化やサイトの価値については、こちらでも解説しています。
【ブログ運営】雑多なブログは稼げないし、SEOも弱いことをもう一度語る - 検索サポーター
前置きが長くなりました。元エントリーの紹介です。
Googleアナリティクスを使って改善する
閑話休題。元エントリーについてご紹介します。
具体的な方法や詳細なレポートはリンク先をご覧いただくとして、ここでは大切な概念(考え方)に絞ってご説明します。
1.注目すべき領域を見極める
コンテンツ グループを使うと、商品やサービスをグループ化して、より明晰な分析ができるようになります。たとえば、靴のメーカーの場合、一度に全種類の靴について分析するのではなく、コンテンツを大人用と子供用、男性用と女性用、テニスシューズとハイヒールなどに分割できます。この分割を利用して、グループごとに集計した統計情報を表示して比較したり、個々の URL やページ タイトルに絞り込んでみることができます。
引用:
コンテンツグループを設定することで、AdSenseのクリック率が高いトピックが分かればそのトピックに関するコンテンツを増やすことがよいと考えられます。
また、読み込み速度が遅いページが見つければ、圧縮されていない画像を圧縮するなどして読み込みを速くする、ユーザーエクスペリエンスを向上することも出来ます。
これはAdSenseの収益を増やすだけでなく、検索流入を増やすことにも繋がります。
なぜならユーザーの興味のあるトピックのコンテンツを増やす、ページの読み込みを速くすることはそのままSEO(検索評価)でも有効に働く、サイトの評価を上げるからです。
もちろん、どちらも「ユーザーのために行う」事であるのは言うまでもありません。
2.ユーザーのアクセスが多い領域を特定する
「ランディング ページ」レポートには、訪問者によるコンテンツの利用状況が表示されます。ページ単位で分析できるほか、先ほど説明したコンテンツ グループ単位で分析することもできます。
引用:
これこそコンテンツのリライトを行う上でも知っておきたい考え方であり、方法でもあります。
(一概には言えませんが)直帰率の高さは、コンテンツにユーザーが魅力を感じていないか、ユーザーニーズ(意図)との関連性が低いことを示していると言われます。
(もちろん「そのページ単体を閲覧しただけで満たされた」からこそ直帰したというユーザーもいるでしょうが。)
そういったコンテンツは追記はもちろん見出しを変えたり、画像を変えたりなどコンテンツを更に充実させる工夫をしましょう。
また、直帰率の高いページの読み込み速度を分析することも効果的でしょう。
前述の通り、ページの読み込みを速くすることはそのままSEOでも有効に働きますし、そもそもユーザーは読み込みの遅いページに嫌気がさしているので離脱している可能性もおおいにあります。
それを改善することで、ユーザーに快適な環境、コンテンツを提供しましょう。
【SEO】Googleはサイト全体も評価する。低品質ページをリライトしてサイトの評価を底上げしよう - 検索サポーター
3. ユーザーについて詳しく知る
ユーザー属性に関するデータと興味に関するデータ を使用することで、ユーザーの年齢や性別を把握したり、オンラインでの閲覧や購入に基づく興味の傾向を特定したりすることができます。
引用:
2の「ユーザーのアクセスが多い領域を特定する」を更に絞った、ターゲットを定める方法です。
この方法でも直帰率を確認することが基本となりますが、年齢や性別などでターゲットを絞ることによって更に精度が高い施策を考える元になると言えます。
また、ユーザーが何に興味を持っているのかを具体的に知ることで、興味や関心のカテゴリに基づいてコンテンツを最適化する(整理する)ことも可能です。
それが分かればそのトピックに関するコンテンツを増やすことでAdSenseの収益を増やすだけでなく検索流入も増やす、つまりSEOにも強くなるコンテンツ、サイトとなるでしょう。
サイトに関わる全員が得をするには?
分析は改善のための方法であり、改善は価値を上げるためのもの
最後にもうひとつ気をつけるべきことは、分析は改善のための方法であり、改善は価値を上げるためのものということです。
「分析して改善点を見つけて満足して終わり」ではいけません。
その改善を行う、「施策を考えて実行」しなければ何も意味はありません。
そして最初に「その改善は何のために行うのかを明確にしておく」べきです。
今回に限って言えば、目的は広告収入を増やすことと検索流入を増やすことなので「広告主に価値を与える」「ユーザーに価値を与える」ことが大前提だと言えます。
この2つに価値を与えることが出来れば、必然的にあなたのサイトも価値(広告収入や検索流入、いや、それに留まらずにブランディングの向上や他の仕事の依頼…etc)が与えられますよ。
全ては「価値を与えれば勝ち」なのです。