重要なポイントは…
言葉だけの方法論から脱却する
「記事のリライト(多更新)」や「長文(○○文字以上)記事」、そして「検索流入が少ない記事はnoindexにする」ことはSEOの効果があり、検索流入を増やすことが出来る!
こういったSEO対策、ノウハウを最近よく目にすることがありませんか?
これらのSEO対策は確かに「一理ある」対策だとも言えるのですが、書かれた言葉をそのまま言葉通りに受け取ってしまう、鵜呑みにしてしまうと正解にはなりませんし、残念ながら結果も伴いません(思惑通りに検索流入は増えません)。
そういったSEO対策について書かれたエントリーのほとんどが「なぜSEOの効果があるのかという理由や、その方法を有効にするための前提条件」については書いておらず、方法論のみに終始したものとなっているからです。
知識も経験もない読者は書かれた言葉だけを鵜呑みにしてしまいますし、自身のサイト(ブログ)に合わせることもなく書かれた通りに実施したとしても再現性もなく精度も低い対策となってしまうので結果は伴いません。
以前も当ブログで「理由と前提条件を理解することで効果が出るSEO対策」について言及しましたが、そのSEO対策もよく「理由と前提条件」が書かれずに伝播されてしまう、言葉通りに受け取られてしまうのでほぼ効果がない(検索流入が劇的に増えることはない)ものとなります。
【SEO】「複数のh1はダメ」「被リンクは価値がない」「HTTPSが有利」という言葉だけを真実としない - 検索サポーター
特に今回のテーマに据えた「リライトと長文、そしてnoindexの実施」は一見SEOの効果が高そうな施策のように思えますが、言葉通りに鵜呑みにし、これを全て実施することはある意味矛盾しているとも言えます。
(検索流入を増やすためにリライトと長文を実施しておきながら、検索流入が少ないエントリーはnoindexにする(検索されないようにする)って、おかしなことだと思いませんか?)
そこで、このエントリーではリライトと長文、そしてnoindexについて「理由や前提条件」をご説明いたします。
言葉だけの方法論から脱却していただければ幸いです。
うまくいかないことにも理由があります。
ユーザーのためのリライト(多更新)を行う
そもそもなぜリライト(多更新)は検索流入の増加に繋がると言われているのでしょうか?
それはリライトによってコンテンツの情報の最新性が保持され、そして多更新によって検索エンジンのクローラーが多く回ってくる(インデックスされやすい)ことで、検索順位が上昇し、検索流入が増えるきっかけになると考えられているからです。
しかし、ここで気を付けて欲しいことは、そのコンテンツの情報は「即時性、最新性が求められる情報なのか」ということと、「クローラーが回ってくること(インデックス登録)と検索評価は別のもの」だということです。
即時性や最新性が求められないコンテンツ、いわゆる不変的な情報を扱っているコンテンツは、情報そのものがすぐには古くはならないですし、その情報を求める検索ユーザーも更新日時が直近かどうかというよりも品質がしっかりしている(正しいことが書かれている)かを求めるものです。
また、更新頻度が高いとそれだけクローラが頻繁に回ってくる、即時インデックスされる可能性が高くなることは確かですが、それが検索順位を押し上げる、検索評価が上がることにはなりません。
(上位表示されるページはクロール頻度が高い傾向にありますが、インデックスと検索評価は別問題、「相関関係と因果関係」の違いです。「Fetch as Google」も同様です。)
【SEO】更新頻度は検索順位には影響しない。頻度よりも大切なものとは? - 検索サポーター
【SEO】「Fetch as Google」はすぐにインデックスするものではなく、リクエスト送信をするだけのものです - 検索サポーター
逆に言えば、即時性や最新性が求められるコンテンツであれば、リライトによって常に新しい情報を提供することは(検索ユーザーも新しい情報を求めているので)検索流入を増やすことに繋がります。
また、即時性、最新性を問われないコンテンツだとしても、リライトによって情報の網羅性を満たすための追記であるならば、検索流入を増やすことに繋がります。
(コンテンツへの追記については次の節でも説明します。)
あくまで検索クエリが求めている(検索ユーザーが求めている)情報を適切に提供するからこそ検索流入が増えるというのが大前提なのです。
【SEO】保持しているコンテンツの価値をリライトで高めれば検索流入は増加します - 検索サポーター
常に長文を検索ユーザーが求めていると思いますか?
長文(圧倒的な文字数)であればよいということはない
長文コンテンツは検索評価が高い(検索上位に表示される)とよく言われていますし、実際に長文コンテンツで検索流入が増えたという人もいるでしょう。
この理由は長文コンテンツは大量の情報を提供するため、つまり情報の網羅性が満たされることで検索クエリに適した情報をコンテンツが包含する可能性が高まるからこそ検索結果に表示される(検索流入が増える)からだと言えます。
「長文コンテンツはロングテールの検索クエリを拾いやすい」と言われるのも同じ理由です。
(これはリライトにも関係してきますが)追記することでコンテンツの文章量(情報量)を増やし、更新頻度を上げるというのは、一番理にかなったSEO対策だとも言えます。
しかし、ここで気を付けて欲しいことは、「ただ文字数を増やすだけではダメ」ということと、「検索クエリ(検索ユーザー)によっては短い文章が求めるられることもある」ということです。
特に長文では「○○文字数以上」と言う目安があたかも必然条件だと捉えられてしまい、中身の充実よりもその文字数を埋めることばかりに終始してしまう、ライティングの手段を目的にしてしまいがちです。
「ユーザーの検索意図」を汲んで「ニーズのある情報を追記した」、「丁寧かつ分かりやすく解説したので長文となった」からこそ検索エンジンに評価され、検索順位は上がるのです。
また、逆に文字数を少なくして分かりやすく簡素化することで検索順位が上がることもあります。
例えば辞書サイト(辞書コンテンツページ)が検索順位の一位に表示される事象を考えてみれば分かりやすいでしょう。
なぜ文字数がとても少ないのに検索一位に表示されるのか?
それは「言葉の意味を知りたいという検索クエリ(検索ユーザー)の意図」が大多数を占めているとGoogle(検索エンジン)が判断、評価したからこそ文字数がとても少なくても一位に表示されるからです。
長文だから検索上位に表示され、検索流入が増えるのではありません。
長文であろうと短文であろうと、検索ユーザーの意図を汲んだコンテンツだからこそ検索上位に表示され、検索流入が増えるというのが大前提です。
「文字数が多いページはグーグルで上位表示されやすい」はSEO都市伝説 などSEO記事まとめ10+2本 | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum
確かに文字数が多ければ多いほど偶然的に検索クエリを拾う可能性は高りますし、実際に検索流入も増えるでしょう。
しかし、偶然的に流入した検索ユーザーのニーズを満たすことが出来るかどうかは全くの別問題です(むしろ過度で無駄な情報が多いと満足度は低くなることもあります)。
また、意図を満たさない検索で流入したユーザーにとっては欲しい情報がない長文コンテンツほどつまらないコンテンツはありませんし、満足度も低くなるため直帰率は高くなりますし、サイト滞在時間も短くなります。
もしあなたの目的がアフィリエイトの成約であるならば、コンバージョン率は低くなることは必然です。
(自分が検索する側になった場合、欲しい情報が書かれてれていないだけでなく長文のコンテンツが欲しくて検索したのではないと思う筈です。)
※ 文字数を削ってロングテールを排除することを提案した記事です。
リライトは長文にするだけでは無い。文字数を削ってロングテールを排除しよう。 - 鈴木です。別館
逆に検索流入を減らすだけなのでは?
検索流入が少ないエントリーはnoindexにするの罠
そして最近よく目にする小手先のSEO施策が「検索流入が少ないエントリーはnoindexにする」というものです。
(酷いものなら「検索流入がない記事は低品質だから削除しなさい」とまで言っているブロガーもいます。)
このSEO対策は検索流入が少ないエントリーをnoindexにすることで、相対的に検索流入の多いエントリーの価値を高める(サイト全体の評価を高める)ことが狙いのようです。
しかし、検索流入が少なくても「検索流入がある」ということは、「ちゃんと検索結果に表示されているからこそ検索流入がある」「検索クエリに拾われている(Googleにインデックスされている)」から検索流入があり、ちゃんと評価されているとも言えるのです。
逆に言えば、しっかりリライトを行えば検索流入が増える可能性がとても高いとも言えます。
他のエントリーと内容がカブっている、「カニバリゼーション(情報の共食い)の解消のために一時的にnoindexにしておいてリライトを行う」というのならnoindexにすることにも納得が出来るのですが、検索流入が少ないというだけでnoindexを行う、最悪は削除してしまうことは、ただでさえ少ない検索流入を更に減らすだけではないかと私は考えます。
「検索流入がない、少ない=低品質」と判断すること自体が間違っていると言わざるを得ません。
【SEO】Googleはサイト全体も評価する。低品質ページをリライトしてサイトの評価を底上げしよう - 検索サポーター
また、noindexについて語るとクロールバジェットも併せて語られることもありますが、一般のサイト(ブログ)は、クロールバジェットを気にしてまでnoindexを行う必要はない(そもそもクロールバジェットすら気にしなくてよい)と私は判断しています。
※ クロールバジェットについては以下のエントリーをご参照ください。
【閲覧注意】「クロールバジェット」という言葉について ++ SEO HACKS公式ブログ
特に一般ブロガーにとってのnoindexの扱いは、鈴木さんのこの一言が全てでしょう。
結局何を一番言いたいかと言えば、ブロガーを名乗るのなら自分で書いた記事に愛着があるだろうからnoindexなんてしないでリライトしましょうよ。ということで〆させていただきます。自分の記事に愛着が無くnoindexにしたり低品質だと決めつけて削除するようなブロガーなんてブロガーではなく、アフィリエイターにもなれないただの半グレだと思います。
ある意味、騙しのテクニックでもあります。
矛盾した施策に惑わされない
職業柄、こういった情報をチェックしていると今回のように矛盾したことを唱えるブログを見かけます。
検索流入を増やすための施策を行ったのに、検索流入が少ないから(低品質だから)検索にひっからないようにしましょうって・・・矛盾している、意味がない施策であると思いませんか?
(もし数多くこなしてその中から偶発的に沢山検索されるコンテンツが出来るのを願っての方法で、それ以外は消せばよいというのなら、もはやそれはSEO対策でもなんでもありません。)
他にも「直帰率は低いほうがよい」ことを喧伝している割に、文中にAdSenseを貼りまくってむしろ文中での途中離脱を狙っている、コンテンツを最後まで読ませることではなくクリック収入を上げることが目的になっているブログなど。
文頭に「人気記事」のリンクを貼ることで直帰率が下がりやすい方法を紹介しているブログもあります。
確かに文頭のリンクは誤タップ、誤クリックを含め押されやすい傾向にあり、他のページへ遷移するので、直帰率は(数字上は)下がります。
しかしその「人気記事」のリンクも、アクセスやブックマークが多い記事(ユーザーに支持されている記事)を紹介するのではなく、収益率(額)が高いアフィリエイト記事に誘導するためのリンクであり、「人気記事」とは名ばかりの内部リンクで直帰率を下げ、ある意味ユーザーを騙して誘導するという手段を目的にしているだけのものもあります。
(一部のブログサロンで盛んに言われているマネタイズ方法でもあるようですが。)
大事なことは、こういった矛盾した情報の言葉だけを鵜呑みにするのではなく、「自分なりにでも理解、納得した上でアレンジして実践すること」だと私は考えています。
「答え」でなく「解き方」を模索しないと、いつまでたっても自分で解決するチカラが身に付きませんし、自分で考えて実践するからこそ自分のノウハウとなり、結果に結びつくのですから。