昔は勝手に言及(被リンク)禁止などのローカルルールがありました
先週の『Web担(Web担当者Forum)』のエントリー「被リンクなしで検索結果1位を取ることは可能か? | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum」のテーマ「被リンクなしで検索結果1位を取ることは可能か?」に、「バックリンクが皆無でもすばらしいユーザー体験を提供しているサイトが検索1位を取ることは可能か?」という質問の答えとして、理論的には可能だが実際にはかなり困難であることをGoogleのジョン・ミューラー氏が回答したことが書かれていました。
被リンクの評価価値は以前よりもかなり落ちたとはいえ、今だにコンテンツの検索順位を決める上では重要な要因の一つであることは変わりません。
その被リンクが全くない状態だとしても(理論上は)検索1位は獲得できる、つまりそれだけ今はコンテンツの質をGoogleは重視している、評価しているということでもあります。
ただし、それはかなり困難であることもジョン・ミューラー氏は加えて回答しています。
ああ、理論的には可能だ。クロールとインデックス、ランキングに関して200以上の要因を私たちは使っている。したがって、バックリンクがほとんどないサイトでも選択し検索結果に表示することが可能性としてはありうる。
だが、間違いなく、グーグルにとってそれは困難なことだ。
なぜなら、そのサイトをWebのなかでどう扱うべきかをちゃんと把握するのが難しいからだ。グーグルは、ほかのサイトに関しては、より多くの情報を得てよく知っている。そうしたサイトとの兼ね合いのなかで、評価できる指標が少ないサイトをどのように順位付けするかというのは、なかなか厄介な問題だ。
引用:
昔のネットは勝手に言及(被リンク)禁止などのローカルルールがありましたね。
サイト管理者が被リンクを貼る先を把握、管理するためであったり、ネガティブなことを書かれるのを防ぐためでもあったのですが、今やそういったローカルルールを持ち出すことがナンセンスでもあり、不可能なことであります。
また、勝手に被リンクを貼られたとしてもそこからの被リンクの価値を受け取りたくない場合(例えばネガティブSEOなど)は、Googleサーチコンソールからしっかりリンク否認を行ってください。
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これは人に薦めたい!
「良質なコンテンツ」は勝手に被リンクされ拡散される
そもそも、本当にユーザーに対して価値を提供するコンテンツであれば、まったくリンクされないなんてことが現実にあるのだろうかという疑問はある。
引用:
いくらローカルルールで被リンクを承認制にしたとしても、そんなルールは守られることはほぼありません。
結局「良質なコンテンツ」は勝手に被リンクされ、言及されるものだからです。
今は被リンクよりもSNSで拡散されることが多いですね。
TwitterやFacebookなど多くのSNSの被リンクはrel="nofollow"属性がなされているので、それ自体では検索順位の評価においては価値は付加されません。
ただしそこからユーザーが流入する、PV数の増加のきっかけを与えるという意味ではかなりの価値を持ちます。
また、SNSをきっかけに新たな被リンク(言及)が貼られることとなる好循環が生まれることもあります。
結局「良質なコンテンツ」は勝手にSNSでも拡散されるものだからです。
(鶏が先か卵が先か・・・みたいな話ですが、良質なコンテンツがあってこそ被リンクされるものです。被リンクだけ増やしていればよかった過去のSEO手法は今後は更に価値が落ちていくでしょう。)
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スルーすることも大切で意味があります。
「人に薦めたくないコンテンツ」はスルーする
逆に「奇を衒ったコンテンツ」「釣り、炎上狙いのコンテンツ」も、晒しという意味においては勝手に被リンクされ拡散されるものです。
そういった「人に薦めたくないコンテンツ」に意見をしたい、他の人にもその酷さを知って欲しいという気持ちもとてもよく分かるのですが、そういったコンテンツはスルーするに限ります。
「かまってもらうことを目的に作られたコンテンツ」ですので、意見したり拡散すること自体が相手の思うツボの行動だからです。
(本気で意見したいなら本人や管理先に直接コンタクトを取るほうがよいと個人的には考えます。)
また、その被リンクがポジティブなものなのかネガティブなものなのかは、残念ながらGoogleはまだ完全には評価が出来ません。
「人に薦めたくないコンテンツ」なのに、「自然な被リンクが多く集まっている」という数の論理で検索上位に来るきっかけを与えていることにもなるのです。
SNSでの拡散もrel="nofollow"属性がなされているとしても、それはユーザーの流入のきっかけを相手先に与えていることに変わりはありません。
(2ちゃんまとめや炎上ブロガーのコンテンツが検索上位に来やすく、PVを集めるのはこのためです。)
そういったコンテンツへの被リンク、拡散をやめる(スルーする)ことは相対的に「良質なコンテンツ」の検索順位を上げることにもなります。
「人に薦めたくないコンテンツ」をしっかりスルーすることも、巡り巡って自分が薦めたいコンテンツの検索評価を上げるためのSEO戦略となりますよ。