前回の補足
『海外SEO情報ブログ』の鈴木謙一さんが、6月2日、3日にアメリカのシアトルで開催されたSMXに参加し、AMA With Google Searchのセッションをレポートしています。
Googleのなかの人だけど何か質問ある? at #SMX Advanved 2015 | 海外SEO情報ブログ
当ブログでも鈴木さんのGoogle+での投稿を元にエントリーを書きましたが、更に新たに出てきた情報や、他にも興味深いSEOネタが多くレポートされていましたので、私の考察も含めて特に注目しておきたいものをエントリーしたいと思います。
※ 前エントリー
【Google】SMXで語られた2〜4週間後のパンダアップデートと注目すべきSEOネタ - 検索サポーター
それでは、見ていきましょう。
ペナルティチェックツール
前回のエントリーの予想通り、Googleにはサイト(サーバー)のペナルティを把握できる「ペナルティチェックツール」があります。
(前回のエントリー時に、鈴木さんより補足情報をいただきました。)
@kshikida 「すべてのサイトのペナルティを知ることができる」というのは、そういうツールがあるってことです(あの説明じゃわからないですね、スミマセン)。http://t.co/ys21iBKOkY
— Kenichi Suzuki; 鈴木謙一 (@suzukik) 2015, 6月 5
@kshikida ジョンがハングアウトのときにうっかり自分のPCの画面で「Penalty Server」というのを見せてしまったんです。 https://t.co/UYSPnHE1OM それをダニーが「そういうツールが本当にあるの?」と質問したんです。以上補足でした :)
— Kenichi Suzuki; 鈴木謙一 (@suzukik) 2015, 6月 5
どのサイトにどのペナルティを課したかを把握するのはもちろん、そのペナルティが妥当であるか判断する材料にもなるということでしょう。
自動、手動に関わらず、ペナルティも100%の精度ではありません。
身に覚えのないペナルティを受けたら、Googleに再審査をしてもらうこともサイト運営には欠かせないことです。
また、ペナルティの通知も、もっと透明性を高めようと考えているとのことです。
(混乱したり、間違ったことに気を向けたり、悪いように利用しようとしたりする人がいたそうです。)
実際、ペナルティを悪用してネガティブSEOを仕掛けてくることもありますしね。
ネガティブSEOも今ではあまり効かなくなってきているとはいえ、リンク否認作業を行う手間のコストだったり、攻撃されるという嫌な気持ちを与える精神的コストの浪費という意味では、残念ながら嫌がらせとして有効な手段です。
クオリティアップデート
クオリティアップデートはウェブスパム対策のアップデートではなかったので、アップデートを実施していないと回答したとのことです。
・・・というとこは、クオリティアップデートで順位下落したサイトは「スパム」として判断されたのではなく、単純に「質が低い」サイトだと判断されたと言えそうです。
【Google】まとめサイトの順位下落は本当だった!クオリティアップデートで下落対象に - 検索サポーター
多くのNAVERまとめページの順位下落は、単純にそのNAVERまとめページが「質が低い」と判断されたということでもあり、「まとめサイト」のフォーマット自体が今後は「質が低い」と判断されることが増えるということでもあるでしょう。
(そりゃそうですよね。オリジナル要素まるでなしのコピペの質が高くなるわけがない。)
ちなみにNAVERまとめのインデックス数は、クオリティアップデートの後から目に見えて減少しています。
NAVERのインデックス減ってるんだな。 pic.twitter.com/1ltHbNoNh3
— sou (@sou_affili) 2015, 6月 8
検索結果のクリック率
使うことに意味があるケースもある。
たとえば、「Apple」でユーザーが検索したとする。(果物ではなく)会社のAppleをユーザーがクリックしているなら、会社のAppleを探していると判断して会社のAppleを次は上位に表示する。
pythonも同じこと(プログラミング言語のpythonと、大蛇を意味するpythonがある)。
つまり、パーソナライズ検索ではクリックのデータを使っている。
引用:
パーソナライズ検索ではクリックのデータを使っているのは誰もが納得するところでしょう。
(自分がクリックするページほうが上位表示される。)
「乱用しようとする人が多い」というのは、サジェストも絡めてbotを走らせる輩についての言及でしょう。
(昔は「ウチはbotでなく手動でやっているので(サジェスト)スパムじゃないです」と、素人を騙していたSEO業者も結構いたものでした。手動だからスパムじゃないって理論がもうね・・・)
ランキング要因としてのTwitter
Twitterが検索結果に表示されるようになりましたが、SEO(ランキング)には影響しないとのことです。
とはいえ、Twitterのつぶやきを見て、そこから流入してくるユーザーも少なからずいるので、Twitterといえど、しっかり運用するべきだと私は考えます。
インデックスの減少
検索されないURLは、インデックスから削除することがあるそうです。
過去エントリーはある程度リライト(改善)してみて、それでも全く検索に引っかからないのであれば、削除してしまうのがよいかもですね。
重複コンテンツペナルティ
重複コンテンツによるペナルティというものは存在しない(何度も言うように、重複コンテンツが原因でペナルティということはないのです)。
重複コンテンツを発見した場合、どちらを検索結果に表示すべきかの判断が上手になっている。
rel=”canonical”を追加しなくてもいい。
Googleが優先するURLを見つけ出す。
引用:
「重複コンテンツによるペナルティはないそうで、重複していてもどちらを検索結果に表示すべきか判断される」とのこと。
これは逆にGoogleの判断に任せたくない、自分が表示させる方をコントロールしたいのであれば、従来通りrel=”canonical”をつけるとよいということでもあります。
(普通はそこまで意識するサイト管理者のほうが稀でしょうが、一つの方法として知っておいて損はないでしょう。)
HTTPS
ランキング要因としてもっと強めていく計画だ。
(ゲイリーは、HTTPSをランキング要因に組み込むことを提案し、そのアルゴリズムをコーディングした張本人です)
引用:
はてなブログの運営さん、有料でいいからHTTPS化の対応をお願いします!
SEOに携わる自分としては、そろそろ無視できなくなって来ました・・・独自ドメインのサイトは、HTTPS化を検討しようと思います。
ユーザーにとっては間違いなくHTTPSのほうがよいことは確かですしね。
考えるからこそ有効に成り得るのです!
まとめ
質が高いコンテンツを提供する。
結局はこれに限ります。
SEOはコンテンツを伝播する、うまく広めるための手段に過ぎません。
肝心の中身(コンテンツの質)が伴っていないと全く意味がありません。
SEOも「なぜその方法が有効なのか」を考え、本質を理解するからこそ方法にアレンジを加えることが出来ますし、有効にもなるのです。
SEOに限らず、そのまま真似るだけだと最初はうまくいってもすぐダメになります。
(なぜなら考えずに真似ただけなので応用がきかない、出来ないからです。)
それこそ小手先のSEO手法を実行するよりは、先ずはユーザーに「質が高いコンテンツを提供することを第一に考える」ことこそが本質なのです。