titleタグの現在の扱い
SEO(検索評価)では「タイトルはとても大事」だとよく言われています。
なるべく重要なキーワードをタイトルの前に置く(含む)ことで、そのキーワードで検索されたときに引っかかりやすくする(検索評価を上げる)というのはSEOの基本的なテクニックだとも言われていますし、今でも多くの方がこれを意識してタイトルを考えているのではないでしょうか。
検索結果からの流入率を上げるには、やはり検索キーワードがタイトルに含まれ、ディスクリプション(概要文)にも含まれているほうがよいことは確かです。
それは検索ユーザーがタイトルとディスクリプションを見て「自分が意図している(欲しい)情報が記載されているはずだ」と想定する確立を上げる要因となるからです。
検索結果においては、検索キーワードのあるなしがクリックされる可能性や流入率を上げる要因になると言えます。
しかし、今はSEOにおけるタイトルの重要度は下がっている、titleタグにキーワードを入れる重要性は以前より薄れているということが鈴木謙一さんのブログ『海外SEO情報ブログ』のエントリー「SEOにおける重要性が薄れている、モバイル検索では書き換えが発生しやすい、などtitleタグの最新事情 | 海外SEO情報ブログ」にて、Googleのジョン・ミューラー氏の発言を引用して報じられていました。
また、モバイル検索結果ではタイトルの書き換えが起こりやすいこともジョン・ミューラー氏は語っています。
それだけGoogleはタイトルを検索結果に指し示すよりも、検索キーワードに適したコンテンツを検索上位に上げることのほうがユーザーにとって有益だと考えているというあらわれでもあります。
ユーザーにとって有益なのはどちらか?
タイトルよりもコンテンツ重視にシフトしています
ランキング要因の1つとしてtitleタグを使っているに過ぎない。titleタグは、主要な要因としては使われていなくて、決定的に重要な意味を持つものではない。
したがってうまくいくだろうと期待して、キーワードをtitleタグにたくさん入れることに価値はない。
(中略)
titleタグよりも、そのページに実際にあるコンテンツのほうがもっとずっと重要だ。
(中略)
私の考えでは、titleタグというものは、タイトルとして使いたい何か特定のことを特定することに価値がある。簡潔で的を射たようになるまで本当に洗練できる。
まるでページを丸ごと描写しているような長いtitleタグはきっとユーザーの役にはたたないだろう。私たちが書き換えてしまうtitleタグにもおそらくなってしまうだろう。
引用:SEOにおける重要性が薄れている、モバイル検索では書き換えが発生しやすい、などtitleタグの最新事情 | 海外SEO情報ブログ
上記のジョン・ミューラー氏の発言からもSEOにおけるタイトルの重要度が下がっていることは分かりますし、Googleの検索アルゴリズムは検索クエリとの関連性をより適切に判断して検索結果に反映しているということを改めて発表したとも受け取ることが出来ます。
鈴木さんが仰る通りに、今は「検索ボックスに入れたキーワードがまったく含まれていないページが検索結果にたくさん出ている」ことがあります。
(これは私を含め多くの人が経験しているのではないでしょうか。)
それだけ今は検索キーワードと一致するタイトルばかりが検索で評価されるというわけではなくなった、むしろ検索ニーズ(意図)をGoogleが的確に判断して検索結果に表示するようになったということでもあります。
もちろん検索キーワードをタイトルに入れることは検索をかけているユーザーが「自分が意図している(欲しい)情報が記載されているはず」と想定させるきっかけになるので、流入率を上げる要因になると言えますし、タイトルの重要度が落ちたとはいえ検索評価の一つであることは変わっていません。
ですが、今は検索キーワードをタイトルに含めれば必ず検索上位に表示されるということはありません。
また、タイトルがあまりに長ければ検索結果に全て表示されないことになりますし、タイトル書き換えの対象になることもあります。
重要キーワードを含めることばかりを重視してタイトルやディスクリプションを設定すると、スパムだと認定されてしまう可能性もあります。
(ディスクリプションは今はSEOには全く関係しませんが、キーワードが詰め込まれたディスクリプションはプラスになるどころかマイナスにしかなりません。)
今ならSNSでも拡散されることを考慮してタイトルをつける必要があると個人的には考えています。
大切なのはタイトルにキーワードを含めることではなく、コンテンツを的確に表したタイトルにすることです。
【SEO】長いtitleタグはSEOというよりSNSでは不利 - 検索サポーター
もちろん肝心のコンテンツも的確な情報を提供する、多くの人に価値を与えるコンテンツにすることこそが検索エンジンが「良質なコンテンツ」だと判断してくれる最大の要素です。
良質なコンテンツと評価されるからこそ検索順位が上がり、それが更に検索ユーザーが辿り着きやすくする、検索流入を増やすことにも繋がります。
これこそがSEOの本質であると私は考えます。
とにかく流入を増やすために「サイト(ブログ)を検索結果やSNSで目立たせるため、インパクトのあるタイトルにしましょう」という間違ったノウハウが語られることもありますが、そんなことで集めたユーザーはあなたのサイトには定着しません。
むしろタイトルとコンテンツが一致しないエントリーが多いため、検索順位も日を追うごとに下落し続けますし、今までの読者も期待を裏切られることが続くので「もうこのサイトは見ないようにしよう・・・」と読者離れを起こすきっかけにもなってしまいますよ。
【ブログ運営】タイトルとコンテンツが一致しているか確認すること - 検索サポーター
書き換わっているな・・・
モバイル検索ではタイトルが書き換えられやすい
同じ検索結果であっても、PCでの検索よりもモバイルでの検索のほうがtitleタグの書き換えが起こりやすいというのです。
理由は、スマホはスクリーン領域が狭いため長いタイトルを表示するには適していないからです。
言われてみれば、モバイル検索でだけタイトルが変わってしまうという相談がヘルプフォーラムで以前に投稿されていたような記憶があります。
引用:
SEOにおける重要性が薄れている、モバイル検索では書き換えが発生しやすい、などtitleタグの最新事情 | 海外SEO情報ブログ
確かにモバイル検索だとタイトルが途中で切れていたり、タイトルが置き換わっていることを私もよくみかけます。
モバイル検索も考慮に入れるとかなり短いタイトルをつけることになりますし、意識しすぎて一見ではコンテンツの中身を判断できないタイトルにすることのほうが本末転倒だと私は考えます。
ちなみにタイトルが日本語としておかしくなっている書き換えを見つけたら、検索結果ページの下にある「フィードバックを送信」からレポートを送ることで、Googleに改善を求めることも出来ます。
(絶対に変更されるというものではありませんが、お伺いを立てるくらいは遠慮なくやってよいと私は考えます。)
Google(検索エンジン)が検索クエリに応じて適したタイトルやディスクリプションを検索結果で自動表示してくれることはサイト管理者にとってみればありがたいことです。
ですが、それを頼りにしてコンテンツを作成してしまうと、まとまりがないコンテンツを多産することにもなりかねないと私は考えます。
なぜならタイトルとディスクリプションは「コンテンツ内容を端的で分かり易く示したもの」という前提があるからであり、それを自分で考えて作成する(自分で考えて要約する)、それこそが「検索ユーザーが求めるコンテンツを作成する力」となる、SEOに強いコンテンツを作成する実力となると考えるからです。
タイトルとディスクリプションが曖昧なもの(一見するだけでは分からないもの)は、タイトルが書き変わらないSNS(特にTwitterやFacebok)では流入率が低いものとなります。
むしろSNSは検索評価されたものではないため、過激なタイトルや煽りコメントをつけることで流入率は上がります。
(バイラルメディアなどは「バズる」ことを目的としているからこそ、過激なタイトルや煽りコメントをつけることが多いのです。)
だからこそ自分の力でタイトルとディスクリプションを決めたいですし、これを的確に修正するだけで流入率は大幅に変わってきます。
(私はこの改善を繰り返すことで、検索流入を(僅かではありますが)地味に増やし続けています。)
【SEO】タイトルとメタディスクリプションから検索流入を増やす「SEOの基本」 - 検索サポーター
大事なのはコンテンツ
良質なコンテンツを作る心構えは
一番大切なのはコンテンツであることは変わりませんし、今回のジョン・ミューラー氏の発言からもtitleタグの重要性が落ちたことも確かです。
ですが、私はそれでもタイトルをしっかり考えて(出来ればディスクリプションも)作成することはあなたのコンテンツ作成能力を飛躍させることにもなると考えます。
これは私の持論ですが、「結論だったり誤解せずに伝えたいこと」こそがタイトルとなり、それを「ちゃんと理解、納得していただくように説明する、タイトルを補完する」のがコンテンツだと考えればどちらもユーザーが求めるもの、的確なものが作れるのではないかと考えます。
【SEO】タイトルや本文を辿り着きやすいように整備することは大切である - 検索サポーター