サイトやブログにて検索順位を上げるには「毎日記事を更新すること」だとはよく言われますが、そこに(相関関係は多少あっても)因果関係は全くありません。
以前に「【SEO】更新頻度は検索順位には影響しない。頻度よりも大切なものとは?」というエントリーで説明したように、インデックス(検索エンジンのデータベースに格納されること)とコンテンツの質の評価(検索順位が決まり、検索結果に表示されること)は別のものです。
【SEO】更新頻度は検索順位には影響しない。頻度よりも大切なものとは? - 検索サポーター
また、「Fetch as Google」でも同じことが言えます。
「Fetch as Google」は、あくまでインデックス登録への検討を(即座に)お願いしますというリクエストをGoogleに送信するだけのものであり、やはりインデックスとコンテンツの質の評価は別のものなのです。
(最近は「Fetch as Google」を行うと即座に検索結果に表示される、むしろそうなることが多いためよく勘違いされる、誤解されていることが多いですが。)
【SEO】「Fetch as Google」はすぐにインデックスするものではなく、リクエスト送信をするだけのものです - 検索サポーター
よって、「毎日記事を更新することは検索評価を上げる」のではなく、「毎日記事を更新することは評価機会が増えるだけ」だと言えます。
(SEOに関してはあくまで相関関係はあっても因果関係ではないことが分かりますね。)
しかしながら、とあるブログの記事では「1日あたりのクロールされたページ数の平均が60~80程度ぐらいになると、SEOの効果が現れると言われています」という、完全に間違っている、出所が不明な情報が喧伝されていました。
肝心の記事内容も所々誤っている記述が多く、説明不足な点が多いので私はこのエントリーにて指摘、かつ、正しい説明を行おうと思います。
それ、どこから仕入れた情報ですか?
クロールされたページ数が多いとSEO効果が現れる?
更新頻度が検索順位には影響しないことは既に説明した通りです。
そして、更新頻度によって増減するクロール回数こそ「インデックスされる機会が増える」だけのことであり、クロール回数が増えた(クロールされたページ数が多い)ことによって検索順位が上がるということは全くありません。
検索順位を上げるための基準となるクロール回数などはないのです。
ましてやSEO効果が現れるなんてことは全くのデタラメです。
(おそらく、このような記事を読んでSearch Consoleを知ったつもりになった、書いてあることを鵜呑みにしたのでしょう。この記事にも「もちろんコンテンツが良ければの話だが」と書いてあるように、クロール頻度が増えたからアクセスも増える筈だという結論は間違いですので勘違いしないようにしましょう。)
そもそもクロールの統計情報は普通のサイト、ブログを運営する人なら気にする必要はありませんよ。
GoogleのSearch Consoleヘルプをしっかり読むだけで充分です。
クロールの統計情報レポート(ウェブサイト) - Search Console ヘルプ
「毎日更新しなきゃ…」と、強迫観念に囚われていませんか?
それでも「毎日記事を更新すること」が喧伝されるのはなぜか?
このようにしっかりと調べて考えることが出来るならばクロールの回数が検索順位を決定する要因でないことが理解できるのですが、それでもネット上では「毎日記事を更新すること」が検索流入を増やすと喧伝されているのはなぜでしょうか?
それは因果関係と相関関係をごっちゃにしていることはもちろん、とにかく毎日記事を更新してコンテンツ量を増やせば偶然のアクセス増加(自分が意図していなかった検索クエリで偶然にもヒットして検索流入が増えること)が起こり得るからです。
また、毎日と言わずとも定期的に更新をしていれば読者(リピーター)が増えやすく、SNSで更新情報を流すことで露出を高め、そこからのアクセスを増やすことも出来るでしょう。
しかし、それらはアクセスを増やすきっかけや結果となったとしても、検索流入を増やす施策ではないどころか、検索流入を増やす因果関係すらも成り立ちません。
(偶然でも検索クエリを拾えたのならSEO効果があるじゃん!と思えるならそれでも結構ですが、結果オーライかつ運任せでしかなく、更に工数がかかる施策をずっと続けていくほうが愚策だと言わざるを得ません。)
【ブログ運営】「継続は力なり」「自分が好きな事を書く」という言葉の大きな誤解 - 検索サポーター
その検索クエリ(キーワード)、検索されていますか?
検索流入は検索クエリに依存する
例え毎日更新して、いや、毎日更新せずに検索クエリ(キーワード)で検索順位1位を取ったとしても、その検索クエリが誰からも検索されなければ検索流入はいつまでたっても0のままです。
つまり、検索流入は更新頻度ではなく検索クエリ(を検索するユーザー)に依存するのです。
先ずはそれを理解しないとSEOも理解できませんし、典型的な「手段を目的にしてしまう」だけになってしまいます。
(誰も検索しない検索クエリで検索順位1位を取ったことを誇ったところで、全く意味がないことも分かる筈です。)
そんな小手先のSEO対策を行う、喧伝するよりも、先ずは自分の得意なテーマから関連する検索クエリをピックアップしてみてはいかがでしょうか?
(できればある程度の検索ボリュームがあるものがよいでしょう。)
そしてその検索クエリを入力する人が欲しい情報、検索した意図は何か?と考えてそれを適えるコンテンツを作りこんでいくほうがよっぽど検索流入が増える(再現性も高い)ということを私のアドバイスとして送りたいと思います。
もちろん、真偽が不確かな情報ならちゃんと調べて確信を得て書くべきだと私は思います。
(真偽が判断できない、知らない読者は誤魔化せても、知っている人が見れば、書いている本人が全く理解していないままに記事を書いていることがバレバレですから…)
【SEO】「ユーザーのためのコンテンツを作ること」がSEOやマーケティングの答えである理由 - 検索サポーター