「スパムサイト情報の相互共有」及び「アフィリエイトプログラムの悪用抑止」
少し前の話題ですが、日本のGoogleサーチクオリティチームが、ブログなどのホスティングサービスを運用している企業を対象にとして「Advanced Hosting Meetupプログラム」を開催しました。
その結果、はてなやアメブロ(サイバーエージェント)など8社がWebの健全なエコシステムの構築のために「スパムサイト情報の相互共有」及び「アフィリエイトプログラムの悪用抑止」にて協力することが決まったと、Googleウェブマスター向け公式ブログのエントリー「Google ウェブマスター向け公式ブログ: Advanced Hosting Meetup プログラム : 結果のご報告」にて報告されていました。
また、このプログラムをきっかけに、参加企業独自のスパム対策も始まったことも一緒に報告されています。
- JUGEM でのブログ作成時に reCAPTCHA 認証が導入されました。
- はてな匿名ダイアリー上で(エイプリル フール企画と兼ねて)「はてラボセンター試験認証」が試験的に導入されました。クイズへの回答を求める形式のスパム サイト作成防止策は、以前のホスティング向けイベント内でシーサー株式会社さんから実践例を共有頂いたことで、JUGEM 上での導入が実現、そして今回はてな匿名ダイアリー上での試験導入に至りました。
引用:
Google ウェブマスター向け公式ブログ: Advanced Hosting Meetup プログラム : 結果のご報告
Googleが自動、手動対策を合わせて全てのサイトのコンテンツページを管理監視するのは無理な話ですし、各企業でもそういった取り組みを行う、自分達のサービスの質は自分たちで保守、管理するというということはとてもよい取り組みであると私も思います。
きっちり対策しているサービスを選びたいですね。
はてなは以前より独自の対策を行っていた
当ブログは「はてなブログ」を利用しており、そのはてなブログは以前より独自のスパム対策を行っています。
【ブログ運営】はてなブログのガイドラインが改定 質の低いブログは検索クローラーから除外 - 検索サポーター
はてなブログではスパムや質が低い(公序良俗に反するもの、他媒体から転載した過度なもの、真偽の疑わしいゴシップ情報・・・etc)と判断されたブログは管理者へ注意勧告や意見照会が行われ、対処として検索クローラーから除外し、ブログの利用停止の措置を取ることがあります。
(よほど酷い場合は注意勧告、意見照会される前に問答無用で停止されるようですが。)
はてなブログを利用している方は下記ガイドラインを必ず一読することをおすすめします。
(もちろんはてなブログに限らず、レンタルブログサービスを利用している方は各サービスのガイドラインは必ず確認しておくべきです。)
更に今回のプログラムの実施によって、スパムやアフィリエイトを悪用している情報は、はてなだけでなく他社でも(もちろんGoogleでも)共有されることになるので、特に多くのレンタルブログサービスを使った「サテライトサイトという名のスパムサイト」で被リンクを獲得するSEO対策はほぼ価値を失うことになる(むしろペナルティを与えられる)ことが予測出来ます。
そのスパム、もう通用しないよ。
サテライトサイト単体で価値があるならよいのですが
以前は「被リンクも質より量」が通用してはいたのですが、今はいくら被リンクを貼っても元サイト(ブログ)にそもそもの価値がなければ全く意味がない、価値すらもない傾向がどんどん強まってきています。
それよりもたったひとつの質の高いサイトに言及されるほうが拡散、流入も見込めますし、(オーソリティのあるサイトに評価された、被リンクされたということで)検索評価も上がります。
最近ならサテライトサイトの代わりにまとめサイトを使って被リンクを獲得しているところもありますが、ここ一年ほどはGoogleのクオリティアップデートによって、(特に)まとめサイトやバイラル、キュレーション系サイトの検索評価は軒並み下落しています。
今回のGoogleを含めた各社にまたがるプログラムの取り組みによって、そのようなサイトの検索評価は更に下がり、被リンクの価値すらもどんどん陳腐化していくことになるでしょう。
(キュレーションサイトの中にはリンクをrel="nofollow"にして、パクリ元に被リンクの価値すら与えない、SEOの行儀が悪いサイトも存在しますよね。)
【Google】まとめサイトの検索順位下落は本当だった!クオリティアップデートで下落対象に - 検索サポーター
もちろん「サテライトサイト単体でも価値のある」ものならスパムサイトと判定されることはありませんし、そこからの被リンクは今後も有効に働きます(検索評価を上げてくれる被リンクとなります)。
【Google】ドアウェイページ(誘導ページ)対策を実施。多くのサテライトサイトはスパム扱いに - 検索サポーター
ドメインで「このブログサービスのブログは見ない」と判断する人もいます。
例え自分がスパムをやっていなくても
レンタルブログサービスは基本無料で(一部有料のサービスもありますが)使うことができるサービスですし、環境設定やサーバ負荷などのホスティング運用もお任せでいいというメリットがあります。
逆にデメリットとして、ドメインやサーバが共有であるとサーバの負荷はもちろん、例え自分のブログがスパムを行っていなかったとしても被害を一緒にこうむることもありえます。
特に「イメージ」の部分では多大な影響があります。
「あのブログサービスはスパムが多いし…」「このブログサービスは公序良俗に反するブログが多いし…」と、イメージだけで語られてしまうこともあり、ドメインを見て「このドメインのブログなら最初から見ない」と判断をするユーザーも少なからずいることで機会損失となるのです。
このように、サービスにとってイメージというものは結構重要なものであり、だからこそサービス提供側はイメージをよくするためにもサービスの質を上げることに努力します。
サービスを選ぶ側の私達自身もサービスの質をしっかり見際めるのはもちろん、提供側がこうしてサービスの質を上げてくれることは、このGoogleのプログラムが目指している「情報を探す検索ユーザーと情報を発信するウェブマスターどちらにとってもより良い、健全なウェブのエコシステムを維持、発展させていく」ことに必ず繋がっていくと私は信じています。
※ プログラム参加企業一覧 (敬称略・50 音順、カッコ内は主な提供サービス名)
- NTTレゾナント株式会社(gooブログ)
- 株式会社サイバーエージェント(アメブロ、 Ameba Ownd)
- シーサー株式会社(Seesaaブログ)
- GMO ペパボ株式会社(JUGEM、ロリポップ!レンタルサーバー)
- 株式会社はてな(はてなブログ、はてなダイアリー)
- ピクシブ株式会社(pixiv)
- ヤフー株式会社(Yahoo!ブログ)
- 楽天株式会社(楽天ブログ、楽天市場)
引用:
Google ウェブマスター向け公式ブログ: Advanced Hosting Meetup プログラム : 結果のご報告