※ 2017/1/13:アメリカで実際にインタースティシャルのペナルティにて、順位が下落したとされる例が書かれたエントリーへのリンクを追記しました。
以前より伝えられていたGoogleのアルゴリズム更新が先日(2017年1月11日)実施されました。
これは「モバイル向けサイトにおいて、ユーザーがモバイル検索結果からコンテンツに簡単にアクセスできない(コンテンツの閲覧を邪魔する)ページの検索評価を下げる」というアルゴリズムであり、ついに更新、導入が行われたということになります。
つまり、インタースティシャルやポップアップなどの表示によって、ユーザーがコンテンツを閲覧することを阻害する(不都合を感じる)仕組みが導入されているページは検索評価が落ちる(検索順位が下落する)ことになります。
モバイル向けサイトに広告を表示させるためにインタースティシャルやポップアップを採用しているサイト(ブログ)は多いものです。
今後はそのようなサイト(ブログ)のページの検索順位が落ちることになるということをしっかり認識しておきましょう。
【追記】
アメリカで実際にインタースティシャルのペナルティにて、順位が下落したとされる例が書かれたエントリーをご紹介します。
Google Intrusive Interstitials Mobile Penalty Does Hurt https://t.co/Fpj7etaw5P
— Barry Schwartz (@rustybrick) 2017年1月13日
Google Intrusive Interstitials Mobile Penalty Hurting Some Site's Mobile Rankings Now
回避策はあるか?
新しいランキング要素の影響を受けない手法もある
但し、インタースティシャル、ポップアップを導入しているページの全てが悪い影響を受けるというわけではありません。
新しいランキング要素の影響を受けない手法もあるのです。
その具体的な例が「Google ウェブマスター向け公式ブログ: モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにするために」で紹介されています。
- 法律上の必要性に基づいて表示されているように見えるインタースティシャル(Cookie の使用、年齢確認など)。
- 一般公開されていないコンテンツ(そのためインデックス登録ができない)を有するサイトが表示するログイン ダイアログ。たとえば、メール サービスのように個人的なコンテンツが含まれる、有料のコンテンツであるためインデックス登録できない、などの場合が考えられます。
- 画面スペースから見て妥当な大きさで、簡単に閉じることのできるバナー。ここで言う妥当な大きさとは、たとえば Safari や Chrome に表示されるアプリ インストール バナー程度の大きさです。
つまり、コンテンツに関連するインタースティシャルやポップアップであれば悪い影響を受けない、また、コンテンツ閲覧の邪魔をしなければランキング要素の影響を受けないということになります。
とはいえど、ポップアップ広告を表示させているモバイルサイトは多いですし、閉じるための×印がとても小さかったり、スクロールにずっとついて回ってくる広告はユーザーに「ウザい」という悪いイメージを植え付けるだけなので、個人的には極力止めた方がよいと考えます。
(ミスタップによる収益化を狙っているのがミエミエですし、AdSenseはミスタップが多ければ多いほど収益が落ちるような仕組みとなっていますからね。)
【Google】誤タップでは稼げなくなる。AdWordsモバイル広告の誤タップ回避策を発表 - 検索サポーター
【Google】SEOでもマイナスになるかも「インタースティシャル広告はモバイルでは本当に苦痛」 - 検索サポーター
検索クエリの意図は引き続き重要な要素です
また、新しいランキング要素が加わったとはいえ、それは検索評価に使用する何百もの要素のたった一つに過ぎません。
インタースティシャルやポップアップがコンテンツに関連すること、コンテンツの邪魔をしないのならばランキング要素の影響を受けないということからも分かるように、検索クエリの意図は引き続き重要なランキング要素であることは変わらないのです。
新しいランキング要素が加わったとはいえ、今まで通り検索クエリの意図(検索ユーザーが求めている情報)を想定してコンテンツ作りをしてけばよいだけのことです。
よって、モバイル向けサイトにインタースティシャルやポップアップを導入していない私は、今回のアルゴリズム更新は全く気にしていません。今まで通りユーザーが求めている情報を提供するコンテンツを作成していくだけです。
MFI導入後も想定しておきましょう。
モバイルファーストインデックス導入以降はどうなるか?
ここで一つ、今後のためにも気にかけておきたいことがあります。
それはモバイルファーストインデックス(MFI)です。
MFIはまだ導入されてはいませんが、導入された後はモバイルページの状態(検索評価)がPC検索でも使われることになります。
つまり、PC検索であってもモバイルページの評価が検索結果に反映されることになるので、モバイル向けページだけにインタースティシャルやポップアップを表示していたとしても、PC検索でも評価を落とすことになる、検索順位が落ちることにもなるのです。
モバイル向けサイトに設置しているインタースティシャルやポップアップなのに、PC検索に影響を与えるというのは矛盾していることだと言えますが、ユーザビリティ、ユーザーインターフェースのことを考えれば、やはりモバイル向けサイトに設置したものであってもインタースティシャルやポップアップは極力使わないほうがよいと私は考えています。
「モバイルファーストインデックス」って言葉が独り歩きしている感じがあるけれど、SEOというよりはユーザーインターフェイス、ユーザービリティ側の問題ほうが多いと感じました。先ずは切り分けをちゃんとすることが肝要だし、ユーザーのことを考えるほうが正解。 #ウェブマスターオフィスアワー
— 敷田憲司 (@kshikida) 2016年12月7日
ちなみに、モバイルページの表示速度はMFIではランキング要因にならない(表示速度の速い・遅いは検索順位に影響しなくなる)ということも言われています。
Googleのモバイルファーストインデックスではページ表示速度はランキング要因にならない | 海外SEO情報ブログ
じゃあモバイルでの表示速度を高めるAMPはどうなるの?SEOに影響しないの?という疑問が浮かぶのではないでしょうか?
AMPはランキング要因にはならない(AMPページが存在すれば検索結果にはそちらが表示されるだけのもの)、SEO対策にならないとしても、AMPで高速表示されることをユーザーは望む、遅いよりも早く表示されるほうがよいと言えるのではないでしょうか。
(これについてもGoogleがAMPの普及を推すばかりにMFIとの齟齬が出てきているなと感じています。)
このような場合、AMP対応はもちろんSEO対策においても、Google(検索エンジン)やサイト運営側の都合で考えるよりも、ユーザー側の都合、ユーザーの立場になって考えることを優先させましょう。
ユーザーに価値を提供できる形、環境を優先させる、それを実施するほうが長い目で見てもうまくいく、結果もついてくると私は確信しています。
(AMPは(はてなブログでは)AdSenseが貼れないから広告収入が落ちる…とよく言われますが、当ブログの場合はAMP導入後のほうがAdSense収入もPVも増えました。まあ、これはブログのテーマやコンテンツに大きく依存することでもあると言えるのですが。)
【SEO】AMP対応は必須となるか?GoogleがAMP対応を促すメッセージの配信とモバイル検索結果に専用枠を導入予定 - 検索サポーター