※ 2016/7/28:モバイルページでは、タブや展開ボタンはポピュラーな手法であるとGoogleは認識している旨を追記。
コンテンツが正しく評価されないからSEOでマイナスとなる
サイトをを閲覧しようとしたらポップアップ、インタースティシャル広告が強制的に表示され、画面いっぱいに表示されてしまうことで、広告をクリックするかスキップを行わない限りはコンテンツが読めない(見えない)…
このようなことを誰もが一度は経験しているのではないでしょうか?
そんなポップアップ、インタースティシャル広告は、肝心のコンテンツを隠してしまうため、Googleがちゃんと評価せずにスルーしてしまう可能性が十分にある(コンテンツが正しく評価されないため、SEOでマイナスとなる)ことが『Web担(Web担当Forum)』のエントリー「ポップアップで隠されたメインコンテンツをグーグルは重要視しないかも | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum」にて、Googleのジョン・ミューラー氏の回答と共に取り上げれられていました。
【質問者】
ポップアップで隠されたコンテンツよりも、ポップアップ内のコンテンツをGooglebotが重要視してしまう危険性はありますか?
【ミューラー氏】
そういうことは起こりうる。間違いなく起こりうる。
訳:
ポップアップで隠されたメインコンテンツをグーグルは重要視しないかも | 海外&国内SEO情報ウォッチ | Web担当者Forum
元エントリーの見解にあるように、ポップアップ、インタースティシャル広告によって、絶対に検索評価が落ちるというわけではありませんが、隠れてしまったコンテンツが正しく評価されないのですから、SEOでマイナス要因となる可能性が高いというのも納得が出来る話です。
特にモバイルサイトにおけるアプリインストールのインタースティシャルについては、Googleは既にマイナス評価を与えるアルゴリズムを組み込んでいます。
これはコンテンツが正しく評価されないどころか、アプリのインストールを押し売りしていることにもなるので「ユーザー体験も著しく損ねている」、故に検索評価(SEO)も落としているということになると言えるでしょう。
隠す広告はSEOでも「邪魔」になる。
インストール以外のインタースティシャルなら大丈夫か?
では、モバイルサイトではアプリインストール以外のインタースティシャルなら大丈夫なのか? 検索評価を落とすことにはならないのではないか? と考えるかもしれませんが、私はそうは思いません。
今回のミューラー氏の回答を言葉通りに受け取れば、ポップアップやインタースティシャルに隠されているコンテンツは、Googleにスルーされる可能性が十分にあるということですから、アプリインストール以外のインタースティシャル、コンテンツを隠す広告でも検索評価が落ちる可能性のほうが高いと私は考えています。
何よりも肝心のコンテンツを隠すことで「ユーザー体験を著しく損ねている」ことには変わりないと言えるでしょう。
【Google】モバイル検索にてインタースティシャルはペナルティ対象となります - 検索サポーター
【Google】SEOでもマイナスになるかも「インタースティシャル広告はモバイルでは本当に苦痛」 - 検索サポーター
また、モバイルに限らずPCであってもコンテンツを隠してしまう仕組みは、隠してしまっているコンテンツを検索評価の対象になりにくくさせます。
つまり、モバイルだろうとPCだろうと、ポップアップやインタースティシャルであっても「隠れたコンテンツは検索評価の対象になりにくい」ので、「隠れたコンテンツ内容については検索されにくなる(SEOでマイナスに働く)」のです。
【追記】
特にPCについては、タブや展開ボタンであってもコンテンツを隠してしまうので、隠れてしまったコンテンツはやはり評価されない可能性が高くなります。
ただし、スマートフォンなどモバイルページではタブや展開ボタンはポピュラーな手法(よく使われる手法)であると、Googleは認識しているので使用してもよいでしょう。
(※ 上記を書き漏れていたことを鈴木健一さんにご指摘いただきました。鈴木さんありがとうございます。)
@kshikida いつも参照ありがとうございます。「タブや展開ボタン」に関してですが、モバイルページであれば使ってもOKです(モバイルではよく使われるUIだとGは認識しているから)。もちろん、モバイルであってもインタースティシャルはNGです!
— Kenichi Suzuki; 鈴木謙一 (@suzukik) 2016年7月27日
【SEO】コンテンツをタブや展開ボタンで隠すと検索されにくくなる - 検索サポーター
見やすさ(ユーザー体験)を優先させよう。
隠したほうが見やすい(ユーザー体験がよい)場合もある
いや、タブや展開ボタンのほうが遥かに見やすい、使いやすい(ユーザー体験がよい)と考えるということもあるでしょう。
(ページ遷移なしの同一ページ内で、多義のコンテンツを読むことが出来るほうが一方ではユーザビリティに優れているとも言えるからです。)
また、ポップアップ、インタースティシャル広告のほうが遥かに収益が出るし、その収益を元にしてサイト運営をしているので(運営側の都合で)外せないということもあるでしょう。
(企業の情報、ニュースサイトは、インタースティシャル広告を導入しているところがいまだに多いですよね。)
こういう場合はSEOや広告収入ばかりにとらわれるのではなく、「サイトを閲覧してくれる(使ってくれる)ユーザーにとっての最大多数の最適解」をしっかり考えて、探ってみることが肝要です。
タブや展開ボタン、ポップアップやインタースティシャルのほうがよいと判断したならば、それを使い続けても構わないでしょう。
ただし、一つだけ言えることは、ユーザーのことを考えて「仕組みを工夫」し「コンテンツを提供する」からこそ、SEOの評価も上がり、それに伴って広告収入やコンバージョン(成約)率も上がるということです。
間違っても「コンテンツを読ませる」のではなく、「検索順位を上げる」や「インストールや広告を見せる、クリックさせる」ことが先に立ち、目的がそれに変わってしまってはうまくいきませんよ。
何よりもそのような目的ありきのコンテンツは、ユーザーからはよい評価を受けませんから。