ドメインパワーを失わないための施策と思われる
以前はよく見ていたサイトを久しぶりに見てみたくなり、サイトに行ってみたらコンテンツ内容やテーマが以前とは変わっていて、いかがわしい広告やリンクばかりが貼られていた・・・
そんなことを経験したことはありませんか?
『J-CASTニュース』のエントリー「乗っ取られた「政党のサイト」跡地 「謎のコラム」が大暴れ : J-CASTニュース」にて、かつて存在していた政党が立ち上げたウェブサイトの「跡地」が、「乗っ取られて」正体不明のサイトになっているという話題が報じられていました。
私個人の見解ではありますが、恐らくこれはSEO業者やアフィリエイトを運営している方が、今後はアフィリエイトサイトとして活用することはもちろん、発リンクページ(有料リンク商材)としても活用するために中古ドメインを取得してコンテンツを実装しているものだと思われます。
ドメインパワーがあるサイトからの被リンクは、SEO(検索評価)でも有効に働きますし、SEO業者なら自社メディアだけでなく、お客様のサイトにもそれを実装する(リンクを貼る)ことを狙っての中古ドメイン取得でしょう。
また、以前のコンテンツと内容を似通らせているのは、サイトオーナーが変わることでそれまでに築いた「公的なページで信用が高い」という価値、いわゆる「ドメインパワー」が失なわれないようにするための施策であると考えられます。
コンテンツの中身を最初からまるっきり変えてしまうと、せっかくのドメインパワーが失われてしまうことになりかねないですし、むしろそのドメインパワーを利用するために中古ドメインを取得したのだと言えるでしょう。
【SEO】過去の行いによる評価は良くも悪くもドメインに残っていることがある - 検索サポーター
中古ドメイン、ゲットだぜ!
正式な取得なので「乗っ取り」ではないのですが
一般的に、インターネット上の住所にあたる「ドメイン」の有効期限が切れ、それを元々の所有者とは関係ない人が取得する形で事実上「乗っ取られる」ことはしばしばだ。
引用:
このようにサイトオーナーの変更は「乗っ取られる」という表現がしばしば使われますが、ドメインの有効期限が切れたことで新しいオーナーになった、正式な手続きを踏んで中古ドメインを取得したものなので乗っ取りではありません。
ただ、前述のように以前はよく見ていたサイトを久しぶりに見た人にしてみれば、サイトの内容、雰囲気が変わってしまっているので「乗っ取られた!」という気持ちにはなるでしょうね。
しかもコンテンツ内容とあまり関係のないサイトへのリンク(アフィリエイトリンクや被リンク効果を狙ったリンク)が貼られているのですから、その気持ちはますます大きくなることでしょう。
いずれのサイトも連絡先は書かれていないが、ところどころに不動産業者やリフォーム業者のウェブサイトに誘導するリンクが張られている。事実上のアフィリエイトサイトとして機能しているようだ。
引用:
ドメインの期限が切れてた… やってしもうた…
Googleも過去にやらかしている
ドメインの所有権が他の人に渡ってしまうということは、実はそんなに珍しいことではありません。
過去には天下のGoogleも「google.com」の所有権を(元Google社員に)渡してしまったことがありました。
(ただし、これはドメイン更新の失敗によって間違えて売りに出してしまったものであり、残念ながら数分後にこのドメイン購入はキャンセル扱いとなったそうです。)
A guy bought 'Google.com' for a minute - Business Insider
手続き上の不具合であればすぐに無効となる処置も取られるでしょうが、ドメインの有効期限が切れたことによる所有権の失効となるとそうはいきません。
(正式な手続きを踏んで中古ドメインを取得しているので、無効とはみなされないからです。)
ドメインを破棄する際はそのドメインの価値も全て消し去ることが出来ればこういった問題も起こりにくくなるのですが、それは現実的ではありませんし、せいぜい「忘れられる権利」(検索インデックスから削除すること)を中古ドメインにも適用するくらいしか私には考えが思い浮かびません。
SEO的な旨味がなくなるだけでも、「乗っ取り」はかなり少なくなるでしょうから。
【忘れられる権利】Googleが全世界の検索結果に「忘れられる権利」を適用か - 検索サポーター
今回、こうして話題にすることは当該サイトのアクセスを増やすきっかけを与えてしまうことにもなってしまうので、本来ならば話題にすること事体はばかられることですが、ドメインの失効はこういったリスクを生み出すことにもなるのだという問題の共有をするべく、当ブログにて取り上げました。
ご参考にしていただけると幸いです。