観測期間が違うので比較にもなっていません
パンダアップデート4.2が開始されて2週間ほど経ちました。
(報じられたのは先週末でしたが、既にその前から開始されてはいました。)
あなたのサイトの影響度合いはどうですか? 検索順位が落ちましたか? それとも上がりましたか?
私が管理しているサイトは相変わらず変化なしです。
今回のパンダアップデートは非常にゆっくりとしたスピードであり、完全にロールアウトされるには数ヶ月かかるとのことですので、影響はこれから徐々に表れます。
例えアップデート後に大きな影響が表れたとしても、「パンダアップデート4.2の影響を受けた」と結論つけてしまうにはまだまだ早いと言えるでしょう。
(検索順位がなかなか安定せずに、多少前後するのはいつものことです。)
【Google】ついにパンダアップデート4.2が開始!完全ロールアウトまでは数ヶ月を要す見込み - 検索サポーター
そんな中、『Similarweb(シミラーウェブ)PROの日本公式ブログ』のエントリー「パンダアップデート4.2は、Wikipediaにペナルティを与えたのか? | シミラーウェブブログ」にて、今回のパンダアップデート4.2にて、Wikipediaが大きく影響を受けたのではないかという推測が報じられていました。
ただ、そのエントリーを見てみると、Wikipediaのトラフィックが減少し始めたのはパンダアップデート4.2の三か月前からですし、純粋にパンダアップデート4.2の影響だと決めつけるにはデータが不足しすぎている(アップデートが行われた前後のデータで比較しないと意味がない)のではないかと私は考えました。
エントリーに少々ツッコミを入れつつ、私なりの考えをまとめてみます。
それはごもっともだけどオレの考えは違った。
検索流入に限ったデータで分析されていない
私たちSimilarWeb社の調査では、パンダの影響を受けているサイトが見つかっています。例えば、個人情報検索エンジンのzabasearch.comのアクセス推移を見てみると、パンダアップデートの日からトラフィックが上昇しています。
また、SEOや検索エンジンの情報を発信しているメディアである「SEACH ENGINE JOUNAL(seroundtable.com)」はパンダアップデートを境にトラフィックの上昇がストップしています。
引用:
例に挙げられたサイトが、パンダアップデート4.2以降からトラフィックが上昇、横ばいをしていることがグラフから分かります。
ですが前述の通り、パンダアップデート4.2が開始されてからまだ期間が短く、誤差の範囲内とも言えるくらいの変化に留まっていますし、何よりもこのトラフィックは「サイト全体のトラフィック」であり、「検索流入に限ったトラフィックではない」ということです。
パンダアップデート4.2の影響というのなら検索順位が変化して然るべきですし、検索流入に限定したトラフィックで計測を行わないと意味がありません。
全体のトラフィックでの計測なので検索流入だけでなくSNSやリファラ、ダイレクトなどの他の流入要素も含まれており、そちらでの大きな変化も含まれている可能性が多分にあるからです。
ちゃんと検索流入に限定して調査、分析すべきでしょう。
見るところ、違ってない?
Wikipediaからのトラフィックが減少?
ことの発端は、私たちが持つSimilarWebのサイトのアクセス分析をしていたときです。サイトへの流入先(リファラー)の1つであったWikipediaからのトラフィックが4月から7月にかけて徐々に減少していることがわかったのです。実に40%ものトラフィックが減っていました。
これは何が原因なのでしょうか?SimilarWebのサイトに何が影響したのでしょうか?
Wikipediaのトラフィックを調査したところ、その秘密がわかりました。なんと、Wikipediaがここ3ヶ月で大きくトラフィックを減少させているのです。
引用:
パンダアップデート4.2が開始されたのは(Googleが公式に発表したことをそのまま信じると)、2週間前の出来事です。
しかし、この文章、データではWikipediaが大きくトラフィックを減少させたのは3か月前からとなっています。
また、ここで言われているトラフィックについても、検索流入に限らずに全体のトラフィックで語られてしまっています。
同じことを言いますが、パンダアップデート4.2の影響というのなら検索順位が変化して然るべきですし、検索流入に限定したトラフィックで計測を行わないと意味がありません。
むしろパンダアップデート4.2が始まる前にトラフィックが減少しているのですから、「パンダアップデート4.2の影響ではない」という証明、理論を強めることになってしまっています。
比較、分析を行うのであれば、アップデートが行われた前後のデータで、かつ、期間も一緒にしないと意味がありません。
その分析、合ってますか?
結論ありきで調査している?
実際、私たちのWikipediaページはこの記事を執筆している現在、「SimilarWeb」からの検索結果が2位から4位に下がっていました。つまり、Googleはブランド名のWikipediaページよりも、ブランドそのものを示すサイト(公式サイト)を優先していると推測できます。
引用:
実際に検索順位が下落していたことを確認したことで、「パンダアップデート4.2で検索順位が落ちた」という結論に持っていったのでしょう。
ですが、これも直近のピークと思われる3月のデータ、パンダアップデート4.2が始まるよりかなり前のデータとの比較であるため、比較対象として見るには時期が離れすぎていると考えます。
(都合のいいデータを持ち出した?とも見えてしまいます。)
パンダアップデート時は検索順位がなかなか安定しないのはいつものことですし、それでも比較を行うのであれば、標準偏差を出すほうがより正解に近づけるのではないでしょうか。
(もっと詳細に分析となると、どうしても統計の話になってしまいますが・・・)
よって、今回のエントリー「パンダアップデート4.2は、Wikipediaにペナルティを与えたのか?」を語るにはデータ不足、分析不十分であり、むしろ影響が出るのはこれからだというのが私の結論です。
私は今回のエントリーがパンダアップデート4.2の影響という結論ありきで調査、分析したように見えてしまいました。
(SimilarWebさん、違っていたらごめんなさい。)
Wikipediaに勝ちたいんや!
SEO施策を行う人たちにとって朗報か
Wikipediaはこれまで、数々のブランド(企業)サイトにとってSEOを行うにあたり、大きな競合として君臨してきました。そのため、今回のWikipediaのトラフィックの減少は、SEO施策を行う人たちにとって朗報なのではないでしょうか。今までWikipediaに取られていたトラフィックが直接ブランドサイトに流れてくるからです。ただし、Wikipedia経由のトラフィックに頼っていたウェブサイトにとっては逆にダメージになることも意味します。
引用:
Wikipediaも「世界最大のフリーの百科事典」といえば聞こえがいいですが、だれでも編集できる「まとめサイト」でもありますし、Wikipediaに書かれていることが全て真実という保証もありません。
そういう意味ではWikipediaの検索順位が下落することが望ましいことではありますが、Wikipediaに限らず、まとめサイトが検索の上位に来るジャンルはまだまだ沢山あります。
そんなサイトに検索順位、SEOで勝つには「信頼できる情報を絶えず発信すること」、「他のどこにもないオリジナル要素を加えていくこと」でしょう。
結局最後はまとめサイトがあなたのオリジナルな文章すらもコピペするかもしれませんが、サイトオーナーの思考、サイト全体で醸し出す雰囲気まではコピペは出来ません。
サイト全体、そしてあなた自身をブランディングしていくことで、オーサーとしてはもちろん、サイトの地位をどんどん上げていきましょう!