- 言葉だけが独り歩きしていますが
- 複数のh1タグが存在するページはSEOでマイナスとなる
- コンテンツの中身だけで評価される時代なので被リンクは価値がない
- URLはHTTPSのほうが検索に有利だ
- それはユーザーにとって有益ですか?
※ 2015/12/30:HTTPS化における共有SSLと独自SSLについての解説記事へのリンクを追記しました。
言葉だけが独り歩きしていますが
- 複数のh1タグが存在するページはSEOでマイナスとなる
- コンテンツの中身だけで評価される時代なので被リンクは価値がない
- URLはHTTPSのほうが検索に有利だ
3つとも最近のWEB(特にSEO)界隈ではよく言われている言葉です。
それを専門としている企業のオウンドメディアならず、今では一般のブログでもこれについて取り上げ、さも事実だとして断定して語っていることもよく見かけます。
この言葉、確かに「一理ある」言葉なのですが、この言葉だけでは正解とはなりません。
むしろこの言葉だけでは誤解をあたえてしまい、場合によっては不正解にもなります。
(たちが悪いのはこの言葉を語るだけで理由や前提条件を全く書いていないオウンドメディアや一般ブログが存在し、その言葉だけを鵜呑みにしてしまっているユーザーも多くいるということです。)
そのせいか、私もお客様から下記のような質問をよく受けるようになりました。
- h1タグが複数あるけどどうすればいいですか?
- 被リンクはもう関係ない、いらないんですよね?
- https化しないと検索流入がなくなっちゃうんですよね?
「違いますよ。それは理由と前提条件があります。」
私はそう答え、理由と前提条件、及びお客様の状態を鑑みてどう動くべきかということを具体的に書いたメールを返すことにしています。
また、3つの質問の回答(説明)については当ブログでも既にエントリーを行っています。
最近あまりに同じ質問を受けるので世間も同じ質問が溢れているのではないか、同じ疑問を持っている人が多いのではないかと考え、ここに回答とエントリーへのリンクをまとめてみたいと思います。
鵜呑みにせずに状況も鑑みよう。
複数のh1タグが存在するページはSEOでマイナスとなる
【SEO】複数のh1タグを使ってもマイナスにはならないが… - 検索サポーター
これは「表題(タイトル)となるh1は、1ページに一つが望ましい」というコーディングの基本が「SEOではマイナスだ」という風に誤解されてしまっていると言えます。
h1が複数あるからといって即座にスパムだ、検索評価でマイナスだとは判定されません。
「ユーザーにとって一番読みやすいページ構成は何か?」と考えれば、h1を複数使うのではなく、h1ごとにページを分けたり、h2、h3タグをうまく使ってコンテンツを分かり易く組むことが望ましいと分かるでしょう。
また、「h1タグをHTML上に書くほどSEOで有利になる」ということもありません。
それよりも「ユーザーの読みやすさ」を考えてコンテンツページを作成してください。
【SEO】h1タグをHTMLコードの上のほうに書くとSEOで有利? - 検索サポーター
コンテンツの中身だけで評価される時代なので被リンクは価値がない
【SEO】被リンクなしで検索1位を取ることは可能だが「良質なコンテンツ」は勝手に被リンク、拡散されます - 検索サポーター
被リンクの価値は以前よりもかなり落ちたとはいえ、今だにコンテンツの検索順位を決める上では要因の一つであることは変わりません。
ですが、その被リンクが全くない状態だとしても(理論上は)検索1位は獲得できるとGoogleも明言しています。
つまりそれだけ今はコンテンツの質をGoogleは重視している、評価しているということでもあります。
(これに関しては「RankBrain」の導入も大いに関係しているとも言えますが。)
【SEO】GoogleがAI(人工知能)「RankBrain」の新アルゴリズムを導入済みであることを明らかに - 検索サポーター
それに「良質なコンテンツ」は勝手に被リンクされ、言及されるので(自演被リンクを行わなくても)結果的に被リンクを集めることにもなります。
また、場合によっては内部リンクはもちろん、外部リンクも貼ってコンテンツページの充実を図りましょう。
その外部リンクがあることでユーザーに有益なコンテンツとなる、または外部リンク先のコンテンツが自分のコンテンツと密接に関係するものであればそれだけリンクの価値も上がるため、結果的にSEO(検索順位)で評価されることにもなるからです。
被リンクは数よりも質が重要なのです。
(誰も見ていない複数のコピーサイトから大量のリンクを貰うよりも、権威のあるサイトから1つリンクを貰うほうがユーザーも流入しますし、PVも増えますしね。)
【SEO】外部サイトへリンクすることはSEOで利点になるのか? - 検索サポーター
【SEO】内部リンクは重要だが、先ずはページ単体で価値を与えよう - 検索サポーター
URLはHTTPSのほうが検索に有利だ
【SEO】GoogleがHTTPSページを優先してインデックスする(検索結果に表示する)ことを発表 - 検索サポーター
現在HTTPSは検索順位のランキング要因となってはいますが、それは「タイブレイカー程度のアドバンテージ」だと言われています。
「HTTPのコンテンツとHTTPSのコンテンツが品質に関係するすべてのシグナルが同等だったとしたらHTTPSが有利である」というくらいのアドバンテージです。
また、最近GoogleがHTTPSページをデフォルトでインデックスする(検索結果に表示する)ように検索の仕様を調整したことを発表しました。
これは、「HTTPとHTTPSの両方のページがあれば、HTTPSページを優先表示する」ということであり、検索順位の評価には影響するものではありませんし、それこそHTTPS化しないと検索されない、検索流入がなくなるということではありません。
しかし、これはあくまでも現状での評価であり、今後HTTPSがマジョリティとなればその評価も重要視されることになるとも考えられます。
いずれはやらなければいけないことですが、サイトの種類や環境によっては今は焦って行うことでもないとも考えます。
(もちろんセキュアのことを考えればユーザーのデータを取得するサイトはHTTPS化を是非やるべきだとも言えますが。)
【SEO】HTTPS化が無料のサービスが登場。他サービスも追随することになるか - 検索サポーター
【追記】
HTTPS化となると共有SSLと独自SSLが考えられますが、違いや特徴については下記エントリーにて分かり易く解説されていますので、こちらも是非ご参考にしてください。
SSLとは?仕組みから、共有・独自SSLの違い、証明書についてが分かるまとめ
ユーザーにとって有益ならやるべきことです。
それはユーザーにとって有益ですか?
3つとも理由と前提条件が分かれば「言葉通りが正解ではない」ことが分かるのではないでしょうか。
この3つに限らず、全て「SEOのため(検索評価を上げるため)に施策を行うと考えない」ことが間違いや勘違いを防ぐことにも繋がります。
「小手先のSEO対策」ではユーザーにとっては有益なことではないことが多く(サイト管理側の都合での施策が多いため)、そもそもそうした考え方自体が間違いであるからです。
肝心のコンテンツの質やユーザビリティの向上など、ユーザーにとって有益な施策こそがSEOの本質であり、本当のSEO施策です。
もし迷うことがあるならば先ずは「この施策はユーザーにとって有益なことなのか?また、やるとしてもいまやるべきことなのか?」と考えてみましょう。
そうすれば本当にそれが必要なSEO施策なのか分かりますし、やるべき施策だとしても自分のサイトにとってのプライオリティ(優先度)も自ずと分かってくるでしょう。