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「おせち」以外でも使えるデータであり、考え方です
GoogleのAdWords公式ブログ『Inside AdWords-Japan』のエントリー「Inside AdWords-Japan: 検索語句から見る生活者のおせち購入行動」に、おせちに関するGoogle検索語句のさまざまな傾向や分析結果がデータを交えて紹介されていました。
この記事は「おせち」というキーワードで、AdWordsに広告出稿を検討していただくために書かれた記事なのですが、読み物単体としても面白い記事となっています。
また、「検索語句の変化、数の推移を示したデータ」や「検索語句についての考え方」についても書かれていて、とても参考になる(他の商材で考える際にも参考になる)記事でもあります。
そこで、共有と共に私の考察も加えた検索流入の増やし方、コンテンツSEOについても論じてみようと思います。
おせちといえば「スカスカおせち」の・・・
検索語句の動向をチェックする方法
おせちだけの検索数はここ近年増加傾向にあります。2010 年と 2011 年に検索数が大幅に増加した後は緩やかに上昇し、2014 年度は前年比で +8% 増となっています。
デバイス別に見るとスマートフォンからの検索数が著しく増え、2014 年には初めてスマートフォンからの検索割合が 50% を超えました。
引用:
詳細な分析データは元記事を見ていただくとして、先ず最初は私達でも簡単にできる検索語句の動向調査の方法について書いてみます。
「おせち」に限らず、検索語句の増減や動向についてはGoogleトレンドで調べることができます。
このツールはGoogle検索のデータが元となっていますので他の検索エンジンのデータは含まれていませんが、それでも世間の検索動向はおおむね掴めるものと言えます。
実際にGoogleトレンドで過去5年間の「おせち」の検索動向を調べてみると以下のような動向でした。
分かりやすいぐらいに1月のピークに合わせるように10月から上昇していますね。
同様に「おとそ」「しめ飾り」など、お正月に関連する検索キーワードで検索すると全く同じ動向が見られました。
ちなみにGoogleトレンドは関連キーワードとして「人気」キーワード、「注目」キーワードも調べることもできます。
このように、自分が調べたい検索語句(ターゲットとなる検索語句)についての増減の調査はもちろん、関連キーワードも調べることが出来ます。
ユーザーの検索動向を図るにはとても参考になるツールですので是非、利用してみてください。
(ただし、Googleトレンドではデバイス別で調査することは出来ないため、あくまで動向を調査するだけとなってしまいますが。)
スマホを「辞書」として使ってる人は多いのではないでしょうか。
検索デバイスで変わるニーズについて
2014 年の PC とスマートフォンからおせちに関する検索語句を見てみると、PC における検索では購入に関連する検索語句が 20 位以内に 10 つランクインしました。一方モバイルでは、4 つにとどまっています。PC で購入に関連する検索が多いことから、金額も高く選択肢も多いおせちでは消費者はじっくり腰をすえて購買を検討していると推測できます。
一方スマートフォンからの検索語句をみると、上位 20 位におせち料理の作り方および盛り付け方に関する検索が多く見られます。これは、生活者がおせちの準備または完成した料理を盛り付ける瞬間に検索を行っていると推測できます。
引用:
それでは、検索デバイスで検索意図(ニーズ)がどのように変わるのかを考察してみます。
これも詳細な分析データは元記事を見ていただくとして、同じ検索キーワード、例えば「おせち 料理」でも、デバイスが違うことでユーザーのニーズは違ってくるということがあります。
「おせち 料理」をPCで検索をかけた場合は「おせちを購買するため」であり、スマホで検索をかけた場合は「おせちの作り方、および盛り付け方」などであることが想定されます。
なぜそのように想定できるのか?
それは、その他の検索キーワードも含めて想定する(場合によってはデバイスなどの検索環境を含める)ことで、ユーザーの意図も想定しやすくなり、確度も高まることになるからです。
今回のように検索ユーザーのニーズを考えるとき、その検索キーワード単体で考えてしまうと想定を間違えてしまいかねません。
検索ユーザーのニーズを考えるときは、それに関連する他のキーワードも一緒にピックアップし、グルーピングしてから想定するようにしましょう。
(まあ、中には「スマホで調べて、購入は必ずPCで行う」という私のような人もいますけどね・・・)
【SEO、SEM】「スマホで見てPCでコンバージョンに至る人」からデバイスを考慮したコンテンツを作成する - 検索サポーター
「色々な状況」がありますよね。
時期(タイミング)も考慮する
オンラインでの購入を代表する「おせち 通販」は 12 月 3 週まで続伸していることが分かります。オンラインでのおせち販売は予約だけではなく、年末の駆け込み需要にも対応していると考えられます。
自宅でおせちを作る際に、作り方を調べるために使用する検索語句「おせち レシピ」は 12 月 3 週目から急伸しています。人々がおせちを作らなくてはと思い始めるのはこの時期でしょうか。
引用:
デバイスの違いはもちろん、検索された時期(タイミング)も考慮することで更にユーザーのニーズを想定する確度は高まります。
検索キーワードによっては検索ボリュームが増大、減少する時期(タイミング)があります。
(今回のテーマである「おせち」などはその最たる例ですね。)
検索流入が増えた減ったと一喜一憂するのではなく、一定の期間を決めて分析することでその検索キーワードの傾向を掴み、ユーザーのニーズも掴みましょう。
また、期間を区切って分析しても検索ボリュームが変わらないキーワードもあります。
そんな検索キーワードは「恒久的にニーズがある」キーワードだとも言えますので、それに即したコンテンツを作成すれば、長く読まれる(検索される)コンテンツにもなりえるでしょう。
ニーズを読もう!
SEOもSEM(PPC広告)も同じ検索流入です
検索キーワードからユーザーのニーズを想定し、それにあったコンテンツを作成する。
これはSEOもSEM(PPC広告、リスティング)も同じで、基本的な考え方です。
大切なのは「ユーザーの望む情報、有益な情報を与えることが出来るコンテンツ」かどうかです。
SEO、SEMでも、コンテンツページ、ランディングページでも変わりません。
【SEO、SEM】リスティングも「検索」からの流入であることを意識する - 検索サポーター
いくら検索流入したからといっても、肝心の中身に満足しなければユーザーは納得しませんし、コンバージョンもしません。
SEOに強いサイトにする、検索流入を増やすときは必ず「検索流入を増やす」のではなく、「検索流入のニーズを読む」と考えてコンテンツを作成し、SEO施策を実施してくださいね。
【SEO、SEM】「検索流入を増やす」ではなく「検索流入のニーズを読む」 - 検索サポーター